「ハイボール 1杯50円」で、どうやって儲けているのか 鶏ヤローのカラクリ:水曜インタビュー劇場(激安公演)(5/5 ページ)
首都圏の繁華街を歩いていると、「角ハイボール 50円」と書かれた看板を目にするようになった。激安の雰囲気が漂うこの店は、どのような特徴があるのか。運営会社の社長さんに話を聞いたところ……。
困っているサラリーマンを助けて
土肥: 鶏ヤローが出店しているエリアをみると、大学の近くが多いなあという印象を受けます。やはり、ターゲットを若い人に設定しているからでしょうか?
和田: はい。大学の規模でいうと、学生数が4000人以上のところは、立地条件としてとてもいいですね。
土肥: オフィスのホワイトボードをみると、まだ店を構えていなくて、出店予定もないのに「渋谷、池袋!」などと書かれている。大学の近くと違って、渋谷と池袋といえば、飲食業界にとっては超激戦区のように感じるのですが。
和田: 両エリアの繁華街を歩いていると、居酒屋が多いなあという印象を受けるかもしれませんが、当社としては「まだまだ」と見ているんですよね。なぜか。最寄り駅の乗降客数を店舗数で割ってみて、1店舗当たり300人を超えると、候補地として考えられる。そのように分析すると、渋谷も池袋も「まだまだ出店余地あり」なんですよね。
だからといって、「どこに出しても大丈夫」といった話をしているわけではありません。客単価2000円で勝負している競合他社は、どこに出店しているのか。近隣の店舗は、どのくらい売れているのか。そうした情報を分析して、鶏ヤローでやっていけると思ったところに、出店していかなければいけません。
土肥: ふむふむ。大学の近くだけでなく、大きな繁華街だけでもなく、小遣いのやりくりに困っているサラリーマンがたくさんいるところにも、ぜひ!(切実)。本日はありがとうございました。
(終わり)
書籍&CDが出ました!
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さらに、水曜インタビュー劇場のMCを務める土肥義則のCDが発売されました。「全国経営者セミナー」での講演を収録していますので、ぜひビジネスのヒントに!
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