行列ができた「ワークマンプラス」、その後どうなったのか?:水曜インタビュー劇場(旋風公演)(2/6 ページ)
カジュアルウェアの新業態「ワークマンプラス」が好調である。2018年9月にオープンしたところ、レジに行列ができて、入場制限をかけることも。日本中に旋風を巻き起こしたわけだが、その後はどうなったのか。同社に取材したところ……。
時間によって客層が違う「二毛作」店舗
土肥: ワークマンプラスが好調ですね。18年9月にオープンしたところ、店内はお客さんでごった返していました。あまりにも多いので「バーゲンでもしているのかな?」と思ったのですが、そこはワークマン。値下げをせずに、きっちり定価で販売していました(笑)。それでも店内にどんどん人が入っていって、やがてレジに行列ができ、入場制限をかけることに。
一号店ということもあって“ご祝儀相場”でお客さんがたくさん来店しているのかなあと思ったら、次の店も、次の店も、次の店も、ちょっとしたフィーバーのような感じで、商品が売れに売れたそうですね。路面店の数字をみると、周辺地域にある新店平均の2倍も売れているとか。既存店をリニューアルしたところは、改装前と比べて2〜3倍も売れている。じゃあ、新店の近くにあるワークマンは厳しい数字が出ているはずと思ったのですが、そこも伸びている。
そうなると気になるのは、出店計画。20年3月末までに65店にすると発表していましたが、「ウチもやりたい、ウチもやりたい」といった感じで、手を挙げる人が増えて、77店を予定しているそうですね。話はまだ終わらなくて、今後の新店舗はすべて「ワークマンプラス」にするそうで。新業態がオープンしてまだ1年も経っていないのに、店の舞台裏で一体何が起きていたのでしょうか?
土屋: ワークマンの売り場面積は、どのくらいあるのか。100坪のところが多いんですよね。「路面店でカジュアルウェアを販売する」といった方針を打ち出したとき、どのような声があったのか。「200坪以上のスペースがないと、難しいよ」と言われました。アパレル業界ではいわば“非常識”ともいえる試みを行ったのですが、売り上げを大幅に伸ばすことができました。なぜか。
ワークマンプラスの路面店は、2つの売り場を設けているんですよね。1つはアウトドアウェア、もう1つは作業服。「作業服」と聞くと、「オレは建設現場で働いていないから、関係ないや」と思われるかもしれませんが、いまは違うんです。カジュアル化が進んでいるので、2つの売り場に境界はありません。一般客には70%が自分の売り場に感じて、現場で働くプロ客には90%以上が自分の売り場に感じるのではないでしょうか。
ただ、それだけでは売り上げは伸びなかったかもしれません。ワークマンのメイン客は現場で働く人たちなので、平日の朝と夕方に来店される。一方の一般客は、昼と休日に来店される。時間によって客層が違う「二毛作」的な店舗になるので、店にたくさんのお客さんが訪問されたのではないでしょうか。
ちなみに、現在1店舗当たりの売り上げは1億円ほどですが、当面の目標は2億円にすることです。
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