仕事も育児も「嫌なことはやらない」 女性起業家が語る、女性“無理ゲー”時代の攻略法:小田桐あさぎさんに聞く(5/5 ページ)
仕事、結婚、育児――女性にとっての“無理ゲー”時代を生き抜く方法は? 「嫌なこと全部やめたらすごかった」の著者、小田桐あさぎさんに聞いた。
自分がどんな人生を送りたいか、理想となる生き方の軸を持つ
―― あさぎさんは婚活の失敗をきっかけに理想の人生を見つめ直し、今は成功されていますが、日本の女性は過去のあさぎさんと同じように、自己肯定感の低い人が多いように感じます。
小田桐 私の主宰する女性限定オンラインサロンは会員が230人くらいいて、セミナーなどでものべ約5000人の女性に会いましたが、会った瞬間から自己肯定感が高いと感じる女性は少ないですね。全体の1割くらいかな。
海外は知りませんが、日本の女性は普通に生きていたら自己肯定感が下がりやすい環境にあると思います。常に人と比較され続け、社会からの“あるべき姿”や社会通念に引っ張られがちです。「30歳ぐらいまでに婚活しないと、男性から足切りされちゃう」というように、外部要因で自分の人生を決める状況がものすごく多い。
だから自分軸が定まらないまま生きることになります。世間一般で正しいとされる社会人や妻、母親像を意識してしまうのも、本当は自分がどんな人生を送りたいのか、自分軸が定まっていないから。
育児でも働き方でもとにかく私が言いたいのは、周囲の意見や社会常識を1回取っ払って、自分はどうしたいのかをゼロベースで考えてみるのが本当に大事だということです。「家事はしなきゃいけない」「子どもを作らなきゃいけない」ではなく、自分が本当に望む人生の中に“それ”があるかどうか、です。
―― 「嫌なことをやめる」「好きなことだけやる」は一見すると自分勝手な意見のようですが、その本質は、自分がどんな人生を送りたいか、理想となる生き方の軸を持つということなんですね。あさぎさんは「これまで一度も娘にイライラしたことがない」とおっしゃっていますが、本当でしょうか。
小田桐 一度もないんです。これはものすごくいいことだと思っていて、母親が嫌なことやって発生するイライラ問題が解決できれば、いろんなことが変わっていくと思っています。
家庭内でイライラする女性がいなくなれば、夫の仕事にも子どもにも好影響だし、女性自身もハッピーですよね。不幸な人がいなくなる黄金の法則の最初にくるのは、女性が笑顔になることだと思っているので、女性が笑顔でいられる環境づくりを広げていきたいですね。
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