「コメダローソン」が誕生する日は、本当にやって来るのか:スピン経済の歩き方(2/5 ページ)
「コメダ珈琲店」などを運営するコメダホールディングスが三菱商事と資本・業務提携することを発表した。提携の目的はコメダが進める海外出店で、三菱商事のネットワークを活用していくためだというが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。それは……。
客はバッティングしない
という話をすると、「100円コーヒーが人気のローソンとコメダは競合同士なんだから組めるわけがないだろ! もっと勉強しろ、低脳め!」というすさまじい罵詈雑言が飛んできそうだが、実はコメダとローソンが併設されていても、言うほど客はバッティングしない。
マイボイスコムが18年11月に実施した「イートインスペースの利用」に関する調査によると、コンビニエンスストアのイートイン滞在時間は「15分未満」が6割。利用している方ならば分かると思うが、買った弁当や惣菜をサクッと食べて、スマホをチェックして立ち去るというスタイルで、忙しい合間に一息つくという客がほとんどなのだ。これはローソンのイートインも変わらないはずだ。
では、コメダ珈琲の滞在時間はどうかというと、15分ぽっちでは済まない。同店の最大のウリはゆったりと長居ができることで、過去の報道を見れば、平均滞在時間は約1時間という調査もある。もしローソンに併設されたとしても、この傾向は変わらないだろう。
コーヒーを飲みながら家族や友人とおしゃべりをしたい人や、PCを広げてじっくりと仕事をしたい人はコメダ側へ、仕事の合間に牛丼屋のノリでランチをかき込む多忙な人や、ちょっとメールを送りたいというビジネスパーソンは、ローソンのイートインへという感じで、キレイにすみ分けができるのだ。
しかも、それだけではない。コメダとローソンは互いの弱いところが補完できる理想のコラボ相手なのだ。
まず、コメダの「弱点」は休日のすさまじい混雑だ。長居ができることに加えて、休日はファミリーが昼食などにも訪れるので、「名前を書いてお待ちください」と待たされる客が長蛇の列をなし、店の駐車場でウロウロしなくてはいけない人まで現れる始末である。
しかし、もしローソンが併設されていれば、この待ち時間の間に、買い物などで暇つぶしができるのだ。同じ店舗内なので、コメダ側としても順番がくれば容易に呼び出しができるし、ローソン的にも客が増えるので、悪い話ではない。
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