「コメダローソン」が誕生する日は、本当にやって来るのか:スピン経済の歩き方(4/5 ページ)
「コメダ珈琲店」などを運営するコメダホールディングスが三菱商事と資本・業務提携することを発表した。提携の目的はコメダが進める海外出店で、三菱商事のネットワークを活用していくためだというが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。それは……。
高齢者に支持されている
ご存じのように、コメダ珈琲は圧倒的に高齢者に支持されている。平日の昼間などに行けば、そのあまりに高いシニア率に驚くだろう。スタバやドトールではあまり見かけない、おじいちゃんおばあちゃんが、お友だちやご家族と楽しそうに、シロノワールや小倉トーストを頬張っている。
このような高齢者の憩いの場が併設されれば、もしイートインが一杯であってもそちらへ流れてくれる。逆にコメダが混雑していれば、多くの高齢者がローソンの売り場で過ごしてくれる。地域の高齢者が散歩のついでに気軽に立ち寄れるコンビニと、高齢者が楽しく長居ができるコメダ珈琲は、実はこれからの高齢化社会における理想的な組み合わせなのだ。
さらに、そのような「コメダローソン」に、「ヘルスケアローソン」「ケアローソン」のような薬局や介護相談所の機能も加われば“最強”である。
地域の高齢者たちが散歩で立ち寄って、コーヒーを飲みながら情報交換をする。すぐその横では、薬局やコンビニで買い物をしたり、家族が介護の相談を行う。このように高齢者が一カ所に集まれば、孤独死や買物難民の対策にも利用できる。コンビニというものが、高齢者の予防医療やコミニティサロンを一つにまとめる接着剤の役割を果たしていくのだ。それは、ローソンが掲げるビジョン「地域社会に根ざした“マチの健康ステーション”」とも見事に合致している。
なんて「妄想」を月曜日の昼下がりに、コメダ珈琲で書いている。周囲を見渡すと、筆者と同じように、PCでお仕事をする人もいれば、赤ちゃんを連れたお母さんたちが楽しそうにおしゃべりに興じているが、やはり目に付くのはシニアの多さだ。
お1人で新聞や週刊誌を読むお爺ちゃん、ロマンスグレーのお嬢さんたちが、本当に楽しそうに談笑されている。
「マチのほっとステーション」を掲げるローソンには申し訳ないが、どちらかというと、この店内のほうが、そのキャッチフレーズに近いのではないか、なんてことをふと思った。
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