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スシローと元気寿司の経営統合が“破談” 別々の道を歩むと決意:資本業務提携を解消
「スシロー」などを運営するスシローグローバルホールディングス。元気寿司との経営統合を進めてきたが、“破談”となった。経営戦略の違いなどが鮮明になったことが原因。
回転寿司チェーン「スシロー」などを運営するスシローグローバルホールディングス(以下、スシローGHD)は6月18日、神明HD及び元気寿司と締結していた資本業務提携契約を合意解約し、同契約に基づく資本業務提携を解消すると発表した。
スシローGHDと神明の子会社である元気寿司は経営統合に向けて、統合準備委員会を立ち上げ、協議を続けてきた。協議を開始した当初、スシローGHD、神明HD、元気寿司の3社は、国内市場で圧倒的な規模の企業に成長するとともに、海外市場を共同で攻略することを目指していた。背景には、消費者の節約志向が根強くなりつつあることに加え、少子高齢化による労働力減少、人件費の高騰、業種や業態を超えた顧客獲得競争の激化などがあった。
しかし、協議の結果、3社の間で国内市場における将来的なブランド戦略の違いやアジア地域における店舗展開方式の違いが明確となった。そこで、両社は経営統合するよりも、それぞれ独立したままのほうがメリットが大きいという結論に至った。
スシローはロードサイドを中心に成長してきたが、近年は東京進出に力を入れてきた。また、寿司居酒屋の「杉玉」も増やす予定だ。元気寿司はもともと海外進出に積極的で、国内では回転レーンがない「回転しない寿司」路線を歩んできた。
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