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表情を読み取る「AIお姉さん」が画面から話しかけてくる調布でバーチャルヒューマンエージェント実証実験(3/3 ページ)

6月末に調布で、モニター画面から話しかけてくる等身大のAI(人工知能)エージェントを街角に置く実証実験が行われる。相手の感情を読み取り、自分の表情も変化させながら自律的に会話するAIエージェントは、世界的に見ても新しい。ゲームAIの技術と機械学習に基づくAIの技術を組み合わせた。

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ゲームAIと機械学習技術の組み合わせ

 クーガーのバーチャルヒューマンエージェントの内部では、ゲームAIの技術と機械学習に基づくAIの技術を組み合わせている。ゲーム内のキャラクターがさまざまな身振り、行動をする背景には「ゲームAI」と呼ばれる技術の蓄積があり、それを応用した。また、画像を通して状況を認識し、通行人の表情を読み取る部分では画像処理や機械学習などの技術が使われている。


バーチャルヒューマンエージェントアーキテクチャー。ゲームAIと機械学習という異なる系統の技術を組みあわせ、表情を読み取り会話するAIを作り出した

 この「レイチェル」開発の背景には、ちょっとしたストーリーがある。クーガーは、自動運転車を賢くするための学習シミュレータを開発し、本田技術研究所で使われた実績を持つ。このシミュレータは、ゲームAIを応用し、大勢のCGキャラクターたちが歩道や横断歩道を動き回る状況を作り出し、自動運転車のトレーニングに活用していた。背丈、服装、挙動、荷物などが異なる、たくさんの人物を作り出した。

 「そうした『その他大勢』の中の一人に注目して、『もっと賢くしていったらどうなるだろう?』と育てていったのが『レイチェル』です」と石井氏は打ち明ける。エキストラから抜擢(ばってき)されて初舞台を踏む「レイチェル」は、自らの活躍の場を広げていくチャンスをつかめるだろうか。

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