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永遠の輝きに陰り ダイヤモンド業界が衰退している地殻変動(5/5 ページ)

ミレニアル世代(1981年から96年に生まれた世代)の購買行動に、危機感を抱いている人たちがいる。ダイヤモンド業界だ。ミレニアル世代は結婚適齢期に差し掛かっているので、ダイヤは売れているはずだが……。

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ダイヤモンドがもてはやされた時代

 販売価格が下がったとはいえ、合成ダイヤモンドも決して安いものではない。一般的に、1カラットの天然ダイヤモンドの販売価格は6000ドル程度だが、合成ダイヤモンドの場合は4200ドルほどで販売されている。

 天然ダイヤモンドよりは手頃な価格かもしれないが、顧客がどう価値観を見出すかによって捉え方は変わってしまう。そこでデビアスは、より明確な違いを出すために、高品質の合成ダイヤモンドを1カラット800ドルで販売し、業界に新たな旋風を巻き起こしている。

 合成ダイヤモンドに対しては、否定的な見方もあるかもしれないが、これからの時代にはクリーンでサステナブルなダイヤモンドとして、新しいスタンダードになるポテンシャルを秘めている。

 もしかしたら、これまでほとんどの人が疑問にすら思わなかった、ダイヤモンドの結婚指輪を贈るという「慣習」を、ミレニアル世代が変えてしまうかもしれない。

 さまざまな分野でイノベーションや新しい価値観が生まれるこの時代に、結婚指輪をめぐって、ミレニアル世代が想像もつかなかった新たなサービスや商品を登場させてしまう可能性だってある。

 いずれにせよ、結婚指輪とダイヤモンドがもてはやされた時代は衰退しつつあるようだ。

著者プロフィール:藤井薫(ふじい・かおる)

 大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。

 『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。


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