丸亀製麺が始めた「30分飲み放題」 何が見えてきたのか:水曜インタビュー劇場(実験公演)(4/5 ページ)
讃岐うどん専門店の「丸亀製麺」で、うどんを食べたことがある人も多いのでは。「丸亀製麺=うどん」といったイメージが強いが、数年ほど前から“うどん以外のモノ”にチカラを入れている。お酒とお弁当を提供したところ、売れ行きはまずまずだそうで……。
ところで採算は合うのか
土肥: 飲み放題が好調な店は、どこですか?
田中: JR浜松町駅から徒歩3分ほどのところにある「ハマサイト店」ですね。1日50人ほどのお客さんが利用されています。他の店は価格を1000円、1200円、1300円に設定して、それぞれに主菜を付けているのですが、ハマサイト店では主菜なし。総菜、天ぷら、おむすび、いなりの中から、3品選ぶことができて1000円、4品で1100円、5品で1200円といった形で提供しています。また、飲み物は、ビール、ハイボール、レモンチューハイだけで、焼酎は用意していません。
ハマサイト店も以前は主菜を付けていたので、なくすときに「大丈夫かな。売り上げが減少するのでは?」と心配していたのですが、いまのところ影響は出ていません。先ほども申し上げましたが、このサービスは実証実験中ですので、主菜ありがいいのか、それともなしがいいのか、価格はこのままでいいのかなど、さまざまなことを検証して、今後どうすればいいのかを決めていかなければいけません。
土肥: 素人の感想を言わせていただくと、30分飲み放題で1000円って、やっぱり「安い」と思うんですよね。この価格設定で、採算は合うのでしょうか?
田中: 本音を言わせていただくと、苦しいですね(汗)。1人4〜5杯を想定していまして、それ以上飲まれると、だんだん厳しい状況に追い込まれるといった感じです。
土肥: 売り上げが伸び悩んだなど、何らかの事情で飲み放題をやめた店はあるのですか?
田中: 残念ながら……2店あります。どちらもビルの中に店舗を構えているのですが、施設の関係上、営業時間が短いんです。午後7時30分とか8時に閉店しなければいけないので、「さあ、飲みに行こうか」といった時間帯に、店を閉じなければいけません。そうした状況なので、どうしても利用客が少なく、飲み放題のサービスをやめました。
このほかに、フルサービスを始めたところもありました。テーブルの上にボタンを設置して、そのボタンを押すと、店のスタッフが注文を受け付けるといった形ですね。サイドメニューも飲み物も豊富にそろえました。
土肥: うーん、でも、それって居酒屋ではないですか?
田中: そーなんです。やはり本業で運営されているところには、なかなか勝つことは難しくて。結果を出すことができなかったので、フルサービスをやめて、飲み放題を始めました。
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