吉本興業および芸人は謝罪会見を開くべきか問題:闇営業(1/3 ページ)
闇営業問題は収まる気配を見せず、延焼し続けています。一方でそもそも闇営業問題と、反社勢力問題は別という冷静な意見も出始めました。結構な数の問い合わせをいただいていますので、本件について謝罪すべきかどうか、意見を述べたいと思います。
著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
闇営業問題は収まる気配を見せず、延焼し続けています。一方でそもそも闇営業問題と、反社勢力問題は別という冷静な意見も出始めました。結構な数の問い合わせをいただいていますので、本件について謝罪すべきかどうか、意見を述べたいと思います。
巨大企業ゆえの油断
危機対応において何より大切なのは初動段階の対応です。いつも火事に例えますが、ボヤ段階で消火できれば笑い話で終われるものも、ボンボン延焼してしまえば当然消防車も呼ばなければならないし、何よりもはや自宅内だけで済むことはありません。
しかし消防車を呼ぶべきかどうか迷っている内に火が燃えさかってしまうというのは、正に初動対応を見誤ったことになります。闇営業事件も、当初芸人のシャレでなんとか押し切りたい甘い読みはあったのではないでしょうか。しかし不倫事件と違い、スポンサーが反応してしまったことは大きな誤算でした。
反社会的勢力との関係は、企業にとって不倫とは比較にならないデリケートな問題です。下手な言いわけではなく、消火ができていればと悔やまれてならないでしょう。大企業である吉本興業のような組織では、そんな意識は持っていなかったとしても、危機対応や謝罪について形骸化し、いつの間にか巨大プロダクションという地位にあぐらをかいてしまっていといえないでしょうか。
一発で潰れるような弱小プロダクションと業界超大手では、危機対応への「危機感」がちがっていると、今回の事件は示しているように思います。
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