“周りに教えを乞えなくなった”オジサンたちの末路:会社のお荷物にならないために(1/3 ページ)
最近、「無力で不安で仕方ない経験」をしていない……。そんな人は要注意だ。
この記事はティネクトのオウンドメディア「Books and Apps」より転載、編集しています。
最近、知人に紹介されて、船釣りを始めた。
子供の頃、多少釣りをしたことがあったが、もう数十年も前の話だ。現在は、思想も道具もアップデートされており、要するに今の私は「シロート」。そういえば、漫画『はじめの一歩』の主人公の実家が釣り船屋だったな……とか思い出しつつ、海に釣りに行くようになった。
釣りはつらい
この話をすると、「釣りって、楽しいですか?」と聞かれることがある。回答は無論、「楽しい」なのだが、実はそれと同じくらいの割合で「つらい」も配合されている。
例えば冬になると、洋上はめちゃくちゃ寒い。まき餌を仕掛けに詰めるのも、手がかじかんで、めっぽうつらい。日陰で何時間もじっとしていると、寒くて頭がおかしくなりそうになる。
揺れる船も問題だ。手元でひもを結ぶなどの、慣れない細かい作業をしていると、船酔いしそうになる。休もうにも、逃げ場がない。目をつぶると余計ひどくなり、まるで地獄だ。
また、釣りは反復作業が多いため、釣れない時間が続くと、精神的にきつい。釣れない原因が技術にあるのか、仕掛けにあるのか、その他の原因なのかもシロートには判別が難しいため、思うように対策を打つこともできない。
あと、釣り船の人に怒られることもある。「リール巻きすぎ!」とか「そこ邪魔!」とか。40すぎのオッサンが思い切り怒鳴られる、というのは、会社でもなかなかないだろう。
釣具屋さんに行っても、何が良いのか全く分からないので、店内をいろいろとさまよった揚げ句、店員さんに聞いて回る。店員さんも忙しいのに、拘束して申し訳ない……と思いつつ、道具がなければ何もできないのが釣りなので、結局1時間近くもいろいろと聞く。
――というように、うまく釣れると、それらの苦労が帳消しになるくらい楽しいのだが、いろいろとつらいことも多い。
普通に考えれば「つらいのに、何でそんなことやるの?」と思う方もいるだろう。「趣味なんだから、楽しいことをすればいいのに」と言われることもある。だが、あらためて考えると、実はこの「つらい」が、めちゃくちゃ重要なのだ。実際のところ、「楽しい」だけであれば、貴重な時間を使う意味はあまりないと思っている。
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