ビットポイントから35億円相当の仮想通貨が流出
ビットポイントジャパンから約35億円の仮想通貨が流出したことが判明。ホットウォレットで管理していたもので、顧客からの預かり分は約25億円、BPJの保有分は約10億円。資産が流出した顧客に対し、補填などの対応を取る方針だ。
仮想通貨交換業者のビットポイントジャパン(BPJ)は7月12日、約35億円相当の仮想通貨が流出したと明らかにした。BPJは同日午前、緊急メンテナンスのため全サービスを停止していた。
流出したのは、BPJがホットウォレットで管理していた仮想通貨。流出の経緯や詳細は調査中だが、この手法で管理していたのはリップル・ビットコイン・ビットコインキャッシュ・イーサリアム・ライトコインの5銘柄という。コールドウォレットで管理している仮想通貨と法定通貨の流出は確認されていない。
顧客からの預かり分は約25億円相当、BPJの保有分は約10億円相当。BPJは資産が流出した顧客に対し、補填などの対応を行う方針だ。
11日夜にBPJの仮想通貨取引システムで送金エラーが検出され、調査の結果、不正流出が判明した。当初はリップルの流出のみ確認していたが、12日未明にその他の銘柄の流出も発覚。対応策として、全サービスの停止に至ったとしている。
ビットポイントは2016年3月設立。17年9月に金融庁の審査を通過し、仮想通貨交換業者として登録された。18年8月には、サッカーの本田圭佑選手をイメージキャラクターに起用するなど話題を呼んだ。
だが、マネーロンダリング対策が不十分などとして、18年6月に金融庁から資金決済法に基づく業務改善命令を受け、その後約1年間にわたって改善策の実施状況を報告。19年6月に報告義務を解除されていた。同年3月には電力小売などを手掛けるリミックスポイントの完全子会社となっている。
親会社のリミックスポイントは「関係者の皆さまにご迷惑をおかけいたしますこと、深くおわび申し上げます」と謝罪。「今後は原因究明と再発防止策の実施を行い、信用回復に努めてまいります」としている。連結業績に与える影響は精査中で、分かり次第開示する。
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