松屋フーズの好決算を支えた790円定食とセルフ型店舗:客数と客単価も好調(1/2 ページ)
松屋フーズの4〜6月期における連結決算が好調。松屋の新作焼き牛めしや790円定食が新規客とリピート客獲得につながった。200店近くにまで増えたセルフサービス型店舗も貢献した。
松屋フーズホールディングス(HD)は、7月31日に2019年4〜6月期の連結決算を発表した。売上高は255億4200万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は12億6900万円(同67.3%増)、経常利益は12億9900万円(同62.6%増)、純利益は6億6900万円(同50.8%増)だった。
同社の好決算を支えたのは、主力の松屋で投入した新作焼き牛めしや790円の定食だった。また、販管費を抑えた一因になったのは全体で200店舗近くにまで増えたセルフサービス型店舗だという。
既存店の売り上げが好調
4〜6月は既存店が好調だった。既存店の客数は前年同期比1.9%増、客単価は2.3%増、売上高は4.3%増となった。
特に、4月には松屋で「お肉たっぷり新作焼き牛めし」(並、税込550円)と「ごろごろ煮込みチキンカレー」(並、税込590円)を相次いで投入したことで、「よいスタートを切ることができた」(広報担当者)。新作焼き牛めしは、18年6月に開催した「松屋復刻メニュー総選挙2018」のスピンオフ企画である「Twitter松屋ボツメニュー裏総選挙」において「焼き牛めし」が1位となったことを受けて開発したもの。ジューシーで柔らかい牛肉を鉄板で焼き上げ、旨辛ダレを絡めた。また、チキンカレーには根強いファンが多い。これらの商品はリピート率が高く、客数増に貢献したという。
4月〜5月にかけては10連休があった。松屋では海外への旅行客などが増えることで、客数が減少するのではないかと心配していた。しかし、4月23日に発売した「トマトフォンデュソースのビーフハンバーグステーキ定食」(税込790円)が好調で、大型連休の売上高と客数にプラスの影響を与えたという。この定食は、粗びき牛肉、たまねぎ、パン粉、調味料、香辛料を配合したパテをジューシーに焼き上げ、たっぷりオニオンのトマトフォンデュソースをかけた商品だ。5月7日までライス大盛を無料にしていた。こういった施策が奏功し、新規客とリピート客の両方を獲得できたという。
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