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松屋フーズの好決算を支えた790円定食とセルフ型店舗:客数と客単価も好調(2/2 ページ)
松屋フーズの4〜6月期における連結決算が好調。松屋の新作焼き牛めしや790円定食が新規客とリピート客獲得につながった。200店近くにまで増えたセルフサービス型店舗も貢献した。
200店近くまで増えたセルフサービス型の店舗
決算では、売上高に占める販売費および一般管理費の比率が、前年同期の64.1%から62.4%に改善した。主因は、売上高が上昇したことで固定費の割合が低下したからだが、セルフサービス型の店舗が増えたことも貢献しているという。
松屋フーズHDが運営する店舗数は1173店だ(19年6月末時点)。そのうち、主力の松屋が958店、とんかつ業態(松のやなど)が191店ある。数年前から、セルフサービス型の店舗を増やし続け、現在では200店近くあるという。
セルフサービス型の店舗では、お客は券売機で食券を購入する。商品の受け渡し口にはモニターが付いており、自分の食券の番号が表示されたら取りに行く。食事が済んだら、お客が自分で食器を返却する。松屋やとんかつの既存店を改装したり、新店オープンのタイミングにあわせてこのタイプの店舗に切り替えたりしている。
セルフサービス型の店舗を増やすことで人件費の抑制が期待できるが、別のメリットもある。広報担当者によると、昼集中型の店舗では客の回転率が上がり、売り上げが増える効果もあったという。
松屋は他の大手牛丼チェーンと比べ、券売機を活用したり、決済手段を多様化させたりすることに熱心だ。セルフサービス型の店を増やしているのもその流れに位置付けられる。店舗運営を効率化させることで、今後の決算にもよい影響が出てくるだろうか。
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