社員の人となりを知る仕掛けを入れる
- 新入社員の動画紹介――コンカー
新入社員に早く馴染んでほしいという思いから、新入社員の紹介動画を作って流しているとのこと。それも、人事部が作るのではなく、配属された部署が主体となって作るという。当然、自然とコミュニケーションができるし、なかなか良い取り組みだと思う。
- 新入社員の一芸――ケンブリッジ
ケンブリッジでのそれに近い取り組みは、一芸披露。一発芸ではなく、一芸だ。どんな人間なのかを知ってもらうことが目的だ。手品をする人もいれば、筋トレを披露する人、「◯◯をやってみた」という“ユーチューバーばり”の動画を作る人、切り絵を披露する人、マイケルのものまねをする人など、本当に人それぞれだ。でもこれをやると、自然と会話が生まれる。「一芸、何やるの?」とか「昔、伝説的な一芸をやったらしいですね?」とか。
- パーソナルストーリーのプレゼン――gCストーリー
これはgCストーリーの色がすごく出ている施策だった。生まれてから今までの人生、キツかった時期、良かった時期、転換点になった時期をバイオリズムで示してプレゼンする取り組みだ。「大家族経営」を掲げ、人生をともに歩むのをカルチャーとするgCストーリーらしい取り組みだが、これによって社員間のコミュニケーションは抜群に良くなるそうだ。
全てはコミュニケーションのために
上記に挙げたのはほんの一部だが、QOWL各社のインターナルコミュニケーションへの取り組みはとても活発だった。
活発なだけでなく、インターナルコミュニケーションに会社がキチンと投資していることも特徴的だ。例えば、各社共通して、「社員がご飯を食べに行く」ことに対してお金を出している。また、とても費用が掛かる全員参加のオフサイトミーティングも、きっちりやっている。社内バーに投資している会社もある。
全てはインターナルコミュニケーションを促進するための仕掛けなのである。これは履き違えないようにしないといけないのだが、決して、「福利厚生」のためじゃない。「社員満足度の向上のため」や「福利厚生の充実」などという話ではないのだ。
例えば、社内バーは、使う人だけが使えばいいし、作ったからおしまい、では意味がない。一人飲みが増えたって意味がないのだ。みんなが使って、そこで対話が生まれるように仕掛けていかなくてはいけない。
あなたの会社はどうだろう?
さて、あなたの会社ではどうだろうか? どんな状態で、何が不足しているだろうか? 自社の状況を客観的に見つめるために、自問自答リストを作ってみた。考えるきっかけになれば幸いだ。
- Q: 社員間のコミュニケーションに気を使っていますか?
- Q: 社員間で会話をする機会が、意図的にデザインされていますか?
- Q: コミュニケーションに投資していますか?
- Q: 制度を作って終わりではなく、コミュニケーションを促進するために手を掛けていますか?
著者プロフィール:榊巻亮
コンサルティング会社、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズのコンサルタント。一級建築士。ファシリテーションとITを武器に変革プロジェクトを支援しています。
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