ニュース
投資を始める分岐点、年収と資産「500万円の壁」は崩れるか?:フィデリティ1万人調査(2/3 ページ)
現在の年収レベルや、資産の運用で老後資金を果たして作れるか。これまで、「500万円の壁」と言われてきたものが、積み立て投資の普及などにより、変わってくるかもしれない。フィデリティ投信の調査より。
資産500万円の壁
年収だけでなく、資産額にも500万円の壁がある。資産が500万円を超えると、過半数が投資をしているのだ。資産額が上がるにつれて投資家比率も上がっていき、資産5000万円以上では8割以上が投資を行っている。
ただしこちらも資産の少ない層が投資を始めているのではないかと野尻氏。比較的資産額が小さい人の投資家比率が上がってきており、「壁が下がってきているかもしれない」。
また20代の投資家比率が上昇したのも見逃せない。16年から8ポイント上昇し31%となっており、若年層の投資意欲が増してきている。
投資家は年収の2倍、非投資家は年収の1倍強 退職準備金
投資をするかしないかは、退職後に向けて準備している資金の額に明確に表れている。投資をしていない人は、ほぼ年収の1倍強の額を退職準備額として保有している。年齢に上がるにつれて年収も増加するが、連動して退職準備額も増えていく形だ。
一方で、投資をしている人の退職準備額は、年齢の増加とともに急速に増加している。20代でこそ1倍を切っているが、徐々に増加し、50代では2.6倍まで増加。「40、50代になって投資の成果が花開いているのかもしれない。50代で年収の3倍というのが、投資している人が達成できている退職準備額の水準だ」(野尻氏)
関連記事
- 投資のきっかけは仮想通貨? なぜ若者はビットコインを買ってしまうのか
「投資のきっかけは仮想通貨のリップルを買ったことです」。金融庁は貯蓄から投資へのシフトを促し、各社が若年層向けの投資商品や金融教育を推進している。ところが、若者にとって投資の入り口になっているのは皮肉にも仮想通貨だ。 - 投資する人としない人で、資産に「年3.5%」の差がつくのはなぜか?
皆さんは資産運用をしていますか? 投資とか資産運用なんてお金持ちだけの話……というのは今は昔。自分で資産運用を行って老後の資金を貯めていくよう、社会も変わってきています。でも、資産運用なんて考えたこともない。そんな人に向けて、どう考えて資産運用に取り組んだらいいかの連載がスタートしました。 - 日本で暮らしているのに海外投資が必要な2つの理由
分散投資といったときに、外せないのが海外への投資だ。日本だけでなく海外各国へ分散することが重要だといわれる。しかし、日本に住んで日本でモノを買っているのに、どうして円以外へ投資する必要があるのだろうか? - 老後2000万円問題はピンチかチャンスか
老後資金が年金以外に2000万円必要という金融庁レポート。国民の間では「年金だけでは足りないなんて、いまさら言われなくても当然」といった覚めた意見や、「これを機に資産運用を始めなければ」という意見も。資産運用サービス各社は、ユーザーの関心が高まっているのを肌で感じている。 - 還暦を迎える人の平均貯蓄額は2900万円 ただし67%が2000万円以下
老後の生活費として年金以外に必要だといわれる貯蓄2000万円。還暦を迎える人の平均貯蓄額は2900万円だったが、7割弱が2000万円以下だった。さらに100万円以下と答えた人も4人に1人いた。PGF生命が調査した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.