調査リポート
消費増税、約半数の企業が「対応できていない」 問題のある業務は?:特に小売業に課題
アドビシステムズが「消費税増税に伴う業務に関する実態調査」を実施。増税に向けた業務対応の進捗について聞いたところ、半数近い企業でまだ対応ができていないことが分かった。
10月に消費税が10%に引き上げられる予定だが、アドビシステムズの調査によれば、48.8%の企業で増税に向けた業務対応ができていないという。
最も対応が進んでいないのは「小売業」で60.0%。次いで「卸売業」(54.8%)、「建設業」(54.7%)だった。アドビシステムズは「食料品など生活必需品の税率を低くする軽減税率で、小売業は大きな影響を受ける。販売状況に応じて税率が変わり、対応が煩雑になるため、後手に回っているのではないか」とコメントしている。
逆に、最も対応が進んでいるのは「不動産業」だった。「不動産業は消費税が一律10%になるため対応が取りやすいと考えられる。1回の取引額も大きいため、未対応時のインパクトの大きさから、早めに対応しているのかもしれない」(アドビシステムズ)。
加えて、具体的に対応しなければならない業務について聞くと、最も多かったのは「書類」(61.7%)で、全ての業種で50%を超えた。アドビは「今回の調査は職種を問わずに実施したため、自分が担当する業務に必要な書類を選んだ人が多かったのではないか」としている。
2位は「情報システム」(51.8%)で、特に金融業や卸売業に多かった。その後「印刷物」(22.0%)、「Webコンテンツ」(18.9%)と続いた。
調査は6月13〜14日にインターネット上で実施。1023人から回答を得た。
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