岐阜ダイハツ販売「AI店員」導入へ 24時間顧客対応可能に:9月リリース予定
岐阜ダイハツ販売が9月に「AI店員」を導入へ。名称は「LinKa」。査定と来店予約を担当する。オンライン店舗「ウェルカムストア」で利用可能。導入の背景とは?
岐阜ダイハツ販売(岐阜市)は9月から、インターネット上で顧客対応を担当する人工知能(AI)チャットボット「LinKa」を活用したサービスを開始する。
今回導入するLinKaは、株式会社プロトコーポレーション(名古屋市)と株式会社ナノコネクト(神戸市)が共同開発。お客とのチャットを通して「AI査定」と「来店予約」を行う。LinKaの導入により、お客は営業時間外にもこれらのサービスを24時間受けられるようになる。
岐阜ダイハツの担当者によると、お客と店舗の接点が減ってきているという。
以前は、車を買う前に店舗を訪問して検討するお客が多かった。しかし、最近はインターネットなどを使って自分で調べるケースが多く、来店客が減った。知らず知らずのうちに潜在客を取り逃がしてしまっている感覚があったという。また、査定やメンテナンスで店頭へ来た際に、商品カタログを持ち帰るお客も減った
こうした背景から岐阜ダイハツ販売は、オンライン店舗「ウェルカムストア」を開設。従来は来店する必要があった「査定」と「見積もり」のサービスを受けられるようにした。担当者によると、6月は約2.3万、7月は約2万アクセスがあり、営業時間外の問い合わせも多かったという。また、ページを見た人のうち4%ほどが来店しており、開設してからの売り上げは「好調」とのこと。
そこで、営業時間外でのお客との接点をさらに強化し、利便性をより向上させるために今回のLinKa導入へと至った。自動車ディーラーへのAI導入は珍しく、他社からの関心度も高いという。
LinKaのサービスはウェルカムストア上で受けられる。今後のサービス展開などの構想は未定とのこと。
【お詫びと訂正:2019年8月16日16時5分の初出で、「7月は約3万アクセス」「ページを見た人のうち4割ほどが来店」と記載いたしましたが、誤りでした。それぞれ正しくは、「7月は約2万アクセス」「ページを見た人のうち4%ほどが来店」でした。お詫びして訂正いたします】
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