”着るこたつ”がワークマンから初登場 「価格破壊」を続ける理由を担当者に直撃:人気商品もリニューアル(2/2 ページ)
ワークマンが9月5日に秋冬商品の発表会を開催。今年の注目は”着るこたつ”。50度、45度、40度の3段階に温度調節でき、バッテリー付属。最大17時間持続する。昨年売り切れ店舗もあった「アルティメット」もリニューアルして登場。
なぜこんなに安い?
ヒーターベストも、アルティメットも、高機能な商品でありながら値段が非常に安価なことが特徴だ。特にヒーターベストは、担当者によれば「他社の類似商品は1万円以上のものが多いが、本商品はその半分ほどで提供している」という。
同社は価格の安さを1つの武器として捉えており、発表会で登壇した担当者も「値札を見ないで安心して買える価格を」と強調していた。さらには「他社商品の半分、いや3分の1の価格を目指す」と「価格破壊宣言」も飛び出た。発表会と同時に開催した「ファッションショー」でも、モデルが着ていた服は全て合わせても1万円以下で揃えられるという。
しかし、なぜこんなに安く商品を提供できるのだろうか。担当者に直撃したところ、「ワークマンではとことん値段にこだわっている」との返答を得た。商品を企画する際には、「まず価格ありき」で考えるとのこと。そのため、トレンドの商品や人気となっている商品でも、製造するに際して当初設定した販売価格を超えてしまうような場合には製品化を断念することもあるという。
こうした「取捨選択」とともに、ワークマンでは定価販売を徹底。過度な安売りをしないことで、利益の確保を行う。さらには無駄な在庫を持たないことで、価格を維持しているという。
10月の消費増税でも税込価格をそのまま据え置く「実質値引き」で対応するワークマン。18年に旗揚げした新業態「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の大量出店も予定しており、価格破壊と高機能を売りにさらなる成長を続けられるか。
【お詫びと訂正:2019年9月6日午前10時40分の初出で、「夏用”空調服”のバッテリーとの互換性もあるという。」と記載いたしましたが、誤りでした。「空調服」は株式会社空調服の登録商標であり、記事中商品とのバッテリーの互換性はありません。9月7日午前9時、該当箇所を削除いたしました。お詫びして訂正いたします。】
関連記事
- ワークマンが雨あり雪あり「過酷ファッションショー」を開催 秋冬商戦に1万円以下の全身コーデ
ワークマンが、2019年秋冬商品の発表会を行った。雨や風、雪など自然を再現した環境で行う「過酷ファッションショー」も実施。ワークマンプラスの大量出店や、インフルエンサーを使った商品企画など新たな策も発表。消費増税後も価格据え置きで成長を続けられるか? - ワークマンの大ヒットは、「安いのに高機能でオシャレ」だからではない
ワークマンの勢いが止まらない。今年4月の国内店舗数はユニクロを超え、売上高も大幅に伸ばしているのだ。同社の成功要因として「激安なのに高機能でオシャレ」といった指摘が多いが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏は違った見方をしていて……。 - 行列ができた「ワークマンプラス」、その後どうなったのか?
カジュアルウェアの新業態「ワークマンプラス」が好調である。2018年9月にオープンしたところ、レジに行列ができて、入場制限をかけることも。日本中に旋風を巻き起こしたわけだが、その後はどうなったのか。同社に取材したところ……。 - ちょっと前までチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が、減速した理由
ブームの牽引役などとチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が叩かれている。2018年12月決算は、8年ぶりに赤字。低迷の原因として、米国での閉店や類似店舗の増加などが指摘されているが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。それは……。 - 「チョコモナカジャンボ」のモナカは、なぜパリパリなのか 工場に潜入してみた
チョコモナカジャンボが売れている。18年連続で売り上げが伸びている要因のひとつに、「モナカの食感」がある。ものすごくパリパリしているわけだが、どのようにしてつくっているのか。特別に工場を取材したところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.