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東大生ベンチャーが10億円調達 AIで理系学生の「最適な就職先」マッチングへ 理系院生の3分の2登録目指す(2/2 ページ)

理系学生の就活サービスを手掛ける東大生ベンチャーが10億円を資金調達。AIを活用し企業と院生の「意外なマッチング」実現を目指す。

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AIの力で「意外なマッチング」実現へ

 今回、POLはベンチャーキャピタルのSpiral Ventures Japanやサイバーエージェントなどを引受先とする第三者割当増資を実施、10億円を調達した。資金調達の目的は、マーケティングやカスタマーサービスの強化に加え、上記の理系学生と企業とのマッチングのためのAI導入だ。エンジニアの採用を強化するなどして機械学習を用いたアルゴリズムの開発を目指す。

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「LabBase」上の理系学生のプロフィール画面(同社提供、イメージ)

 さらには、東京大学大学院総合教育研究センターで自然言語処理などの研究に取り組んでいる美馬秀樹准教授を顧問に加え、開発体制を強化する。焦点になるのが、これまではシステム上で企業側がキーワードなどを人力で検索して行っていた、「学生の研究分野と仕事内容とのマッチング」の高度化だ。

 例えば現在、機械学習(AI)を専門に研究していた学生をエンジニアとして求める企業は極めて多い反面、日本の大学にそれほど人材がおらず、採用競争が激化している。加茂CEOは「大学で機械学習自体は研究してこなかったが、その素地となる統計学などのスキルのセットを持つ学生であれば、(AIエンジニアを欲しがっている)職場で活躍できる、といったケースがある。そんな『実はこのジャンル(の仕事)があなたには向いている』という未来の可能性を、学生に提示できるようにしたい」と説明する。

 具体的には学生同士、あるいは学生の専攻する研究同士の「近さ」をAIで分析し、「ソーシャルグラフ」と呼ばれるつながりの“相関図”を構築する。そうして企業も学生もこれまで想定しなかったような、専門分野と仕事の意外なマッチングを明らかにしていくという。

 こうしたマッチング技術の向上やマーケティング施策の強化を通じ、加茂CEOは「この1〜2年で理系院生の登録シェアを60〜70%にまで高めたい」と話す。

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