メルペイあと払いが分割払い対応 信用創造がテーマと青柳社長(2/2 ページ)
メルペイがミッションとして掲げる「信用を創造して、なめらかな社会を創る」が具体化し始めた。9月18日に開催した事業戦略説明会で、「メルペイあと払い」を拡張し、2020年初頭を目処に分割払いを提供することを発表した。
「メルペイ第2章」とうたう
今回の事業戦略説明会のテーマは、トラスト&オープンネス。オープンなプラットフォームとして各社との提携を始め多くの発表があった。もう一方のテーマであるトラストに当たるのが、メルペイあと払いの分割払い対応だ。
メルペイは信用創造をミッションとして掲げており、この部分へ注力する方針だ。CEOの青柳直樹氏は、「信用を軸にしたエコシステムを作っていきたい。信用創造が重要だと考えている。”信用”を深ぼっていく」と繰り返し話した。
信用にはさまざまな意味があるが、金融関連で信用創造といった場合、相手の信用にもとづいて貸し付けを行うことを指す。銀行は、預金として預かったお金の何倍もの貸し出しを行うことで、実質的に貨幣を生み出すことができ、これを信用創造(英語でmoney creation)という。
このとき、貸し出した相手がしっかり返済してくれるかどうかを信用と呼ぶが、従来の金融機関では、職業や年収、勤続年数などの属性情報を元に信用を判断するのが通常だった。メルペイがチャレンジしようとしているのは、こうした属性情報ではなく、例えばメルカリ内での取引を、しっかり約束を守っているかどうかといった行動情報を信用として、貸し付けを行うというものだ。
これによって、属性情報では信用がないと判断されがちだった専業主婦などにも、信用を創造して、貸し付けが可能になる。金融サービスを受けることが難しかった人たちに利便性を提供するというのが、メルペイのミッションとなる。
説明会では、中長期的なビジネスモデルについての質問も相次いだが、青柳氏は「信用」について述べるに留まり、収益化の道筋については明言しなかった。しかし「メルペイ第2章」とうたう分割払い対応は、同社の収益化のマイルストーンにおいても、重要な意味合いを持っているだろう。
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