ヤフー・ZOZOに追われる楽天 「ファッション事業強化宣言」も具体策は見えず:流通額はZOZOの2倍
楽天がファッション事業の新構想を発表。TOKYO Fashion Weekのスポンサー契約を結ぶなどファッションを強化中の楽天。ZOZOの買収を発表し、PayPayモールの起爆剤として追いかけたいヤフーだが、まだまだ差は大きそうだ。
楽天(東京都世田谷区)は9月17日、「Rakuten Fashion」というファッション領域における新たなプラットフォームの構想を発表した。
同社は、ファッションECサイト「Rakuten BRAND AVENUE」を運営するとともに、ECモール「楽天市場」上でもファッションジャンルの強化を続けている。また、8月には、5大ファッションウィークの1つである「TOKYO Fashion Week」とスポンサー契約を締結。10月から「Rakuten Fashion Week TOKYO」へと名前が変わる。
Rakuten Fashionでは、同社の持つペイメントや流通、受注管理などの資源をフル活用し、事業者がワンストップで利用できるプラットフォームを構築するという。具体的な施策については明かさなかったが、順次発表をしていくとのこと。
また、Rakuten BRAND AVENUEを10月1日に「Rakuten Fashion」としてリニューアルすることも発表。各ブランドの成り立ちやコンセプトを紹介するページを新設する。単に「買い物」をするのではなく、ユーザーがブランドへの関心・理解度を高めるようなサービスを目指していく。
同社によると、ファッション分野での流通額は現在6000億円ほど。18年の同社国内EC流通額は3.4兆円なので、2割弱を占める「稼ぎ頭」だ。一方、ヤフーが買収を発表したZOZOのZOZOTOWN事業における商品取扱高は3113億円(19年3月期)。ヤフーが10月にスタートするECモール「PayPayモール」の目玉と評されるZOZOTOWNだが、楽天が大きくリードしている状況だ。楽天の担当者によると「ヤフーの買収が決まる前から今回の構想はあった」とのこと。ZOZOというエンジンを得て楽天を追いかけたいヤフーだが、背中はまだまだ遠そうだ。
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