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スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」がどんどん“ドンキ化” 一方で住民から不安の声も交通量の増加やたむろする若者が心配(2/3 ページ)

スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」が“ドンキ化”している。運営会社は2022年をめどに、約100店舗を業態転換する方針だ。その一方で、生まれ変わる予定のアピタ岐阜店の周辺住民からは不安の声が出ている。

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住民の不安にどう対応するのか

 アピタ岐阜店のリニューアルに際し、地元住民から要望が寄せられている。運営サイドはどう対応するのか。PPIHの広報担当者は「営業時間は正式に決まっていませんが、弊社といたしましては、周辺への影響が軽微になるように計画しており、必要に応じて対策を検討してまいります」と回答した。過去にも、業態転換する店舗のオープン前後に、地元住民から営業時間に関する要望が寄せられたケースはあった。ただ、そのたびに「必要な対策を講じ、地域の方々のご理解いただき、営業しております」(広報担当者)という。

 店舗ごとに状況は異なるが、「交通量の増加」や「深夜にたむろする若者」といった問題への対策として、「交通誘導員の配置」「防犯カメラの設置、敷地内巡回」「建物施設の設計(騒音・光源対策)」「店舗周辺のクリーン活動」などが行われている。

住民の反対運動に悩まされていた過去

 ここで、過去に起こった住民の反対運動について振り返ってみよう。

 1999年、「ドン・キホーテ五日市街道小金井公園店」(東京都西東京市、現在はドイトプロ小金井公園店)に対し、地元住民が午後11時閉店を申し入れた。当時、同店は午前3時まで営業していた。創業者の安田隆夫氏は『安売り王一代』(文藝春秋刊)で、「当時の大店法(大規模小売店舗法)のもと、同店の深夜営業は法律的になんら問題がなかった」と主張している。しかし、「事を荒立てるべき時ではない」と判断。大店審(大規模小売店舗審議会)の審議決定を受け入れて、営業時間の短縮に踏み切ったという。その後も同様の反対運動は別の地域にも飛び火し、マスコミから大バッシングを受けた。安田氏は「創業以来の経営危機に立たされた」と振り返っている。

 こうした反省を踏まえ、当時のドンキは運営会社の純利益の5%を「あらかじめ環境対応コストとして予算に組み込み、店舗周辺の清掃、警備員による巡回管理や車誘導などを大幅に強化」(同著)するようになったという。

 現在、「ドン・キホーテ」の名が付く店舗数は増え、知名度も格段に向上した。PPIHは地域に配慮した数々の施策も講じているので、過去のような大規模な反対運動が起きるとは考えにくい。ただ、油断をすると「2022年をめどに、約100店舗を業態転換」という目標が揺るぎかねない。

 アピタ岐阜店が生まれ変わった後の営業時間や、周辺への環境対策が注目される。

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