新登場の“あんぱん“はサブウェイを救う? 苦戦が続く原因から読み解く:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
サブウェイがあんこを挟んだサンドイッチで巻き返しを狙う。日本市場で苦戦している背景にはコンビニや外食チェーンの“野菜強化”がある。じわじわ増えているサラダボウル専門店も新たな脅威になりそうだ。
背景にコッペパン専門店の人気?
サブウェイが菓子パンを出す背景には何があるのか。日本では近年「パンの田島」や「コメダ謹製 やわらかシロコッペ」といったコッペパン専門店が人気を博している。顧客の注文を聞いてその場で具材を挟んでいくやり方は、サブウェイに似ている。
元々、岩手県盛岡市の「福田パン」で販売していたコッペパンが、安価に学生の空腹が満たせるというので人気になっていた。13年に同店で修業した「吉田パン」が東京・亀有にオープンして行列店になってからは、首都圏をはじめ各地で模倣されている。
パンの田島はドトール・日レスホールディングス傘下である老舗パン専門店「サンメリー」の新業態。首都圏と一部近畿地方で10店ほどを展開していて、しばしば行列になる人気店だ。“メロンパンのコッペ”のような、新しい提案も行っている。
そのパンの田島で人気になっているのは「つぶあんマーガリン」のような甘いコッペパン。「ハムたまご」のような惣菜コッペパンもあり、価格は200〜300円台が主流だ。ドトールがコッペパンに合うように開発した「田島ブレンド」というコーヒーも提供する。
やわらかシロコッペは、喫茶チェーン「珈琲所 コメダ珈琲店」の新業態。自社工場で焼き上げており、ただの懐かしいコッペパンではない。パンのやわらかさにとことんこだわり、白めでしっとりとした食感を持つ。1番人気は名古屋らしい「小倉マーガリン」。「名古屋風ナポリタン」のような、おかずコッペもある。店舗数は首都圏と中京圏に12店で、イートイン設置店ではコメダのコーヒーが飲める。
このようなコッペパン業態の勃興からすれば、サブウェイが勢いにあやかろうとするのも理解できる。
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