やっぱり複雑・理不尽な軽減税率とポイント還元、「超」分かりやすく解説:“いま”が分かるビジネス塾(1/3 ページ)
10月から消費増税がスタートした。特に軽減税率とポイント還元は複雑で理不尽な面も。経済評論家の筆者が「超」分かりやすく解説する。
10月1日から消費税が10%に引き上げられた。軽減税率の導入で複数の税率が併存することに加え、ポイント還元策があまりにも分かりにくく、現場では大混乱となっている。制度について解説する報道も多いが、やっぱりよく分からないというのが正直なところだろう。今回は、軽減税率とポイント還元策について、可能な限り簡潔にまとめてみた。
オロナミンCは8%、リポビタンDは10%
今回の消費増税では、国民の生活を圧迫しないよう、一部商品の税率が8%に据え置かれることになった。だが、現実には何が8%で何が10%なのか線引きが難しく、例えば、オロナミンCは8%のままだが、リポビタンDは10%になるなど、多くの消費者が混乱している。
個別のケースを挙げるとキリがないが、大きな枠組みとしては、食料品と新聞が8%に据え置かれ、あとの商品やサービスは基本的に10%になる。
食料品はあくまで持ち帰って食べることが大前提となっており、レストランなどで食事をした場合には10%の税金がかかる。また、食料品にはアルコール類、医薬品、医薬部外品は含まれていないので、これらに該当する商品は見た目が普通の食品でも税金は10%だ。
上記についても考えるのが面倒だという人は、食べ物を持ち帰って食べれば、たいていのモノは8%になると覚えておけばよいだろう。
大きな枠組みとしてはそうだが、個別にはいろいろ面倒なことが起こる。オロナミンCが8%でリボビタンDが10%なのは、前者が炭酸飲料に区分され、後者は医薬部外品になっていることが理由である。
このほかにも、みりん風調味料は8%のままだが、みりんは10%になる、ペットボトルの水は8%だが、水道水は10%など、よく分からない区分も多い(ちなみにみりんが10%なのは酒類の扱いになるからで、水道水が10%なのは、洗濯など飲料以外の用途もあるため)。また屋台で買って立ち食いすれば8%だが、店にベンチなどがあって飲食できる形態であれば10%になる。
カラオケでの飲食は10%だが、映画館は8%など、各ケースの根拠について突っ込みすぎると、納得できないケースもたくさん出てくるので、あまり深入りしない方がよいだろう(ちなみにカラオケは、飲食設備がある所で食べ物が提供されるのでレストラン形式に近いと見なされる)。
消費者としての損得が大きくなるのは、やはり飲食店での食事と持ち帰りである。飲食店で食事をすると10%の消費税がかかるが、これを持ち帰りにすると食品扱いとなり、消費税は8%に据え置かれる。今回の増税をきっかけに、外食を控え、家での食事に切り替える人が増えると考えられており、外食産業にとっては痛手となる可能性が高い。
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