世界の大都市ランキング、東京が4連覇 国内3都市がトップ10に、米旅行誌:訪日観光プロモーションを加速
米国の大手旅行雑誌の読者投票による「世界で最も魅力的な大都市ランキング」で、東京が4年連続で1位に選ばれた。2位に京都、5位に大阪が入り、国内3都市が初めて同時にトップ10入りした。
米国の大手旅行雑誌「コンデ・ナスト・トラベラー」が実施した読者投票による「世界で最も魅力的な大都市ランキング」で、東京が4年連続で1位に選ばれた。2位は2年連続で京都となり、5位には大阪が入った。3都市が10位以内に入るのは初めて。2020年に五輪・パラリンピックの開催を控え、訪日客を増やすためのPRやおもてなしを強化する中で弾みがつきそうだ。
日本政府観光局(JNTO)がこのほど発表した。JNTOによると、18年の米国からの訪日旅行者数は前年比11.0%増となる152万6000人。19年も、1〜8月の累計で前年同期比12.3%増の114万9000人と大きく伸びている。
今回のランキングで、東京については、現代的な都市と伝統的な技術・文化が共存していること、食の魅力の多様性などが評価された。京都は、土地に根付いている伝統の中に新たな文化が生まれていること、大阪は食の魅力や熱狂的な野球文化が評価されたという。「旅行目的地としての日本の多様な魅力がより広く認識されるようになってきた」と、JNTOはまとめている。
20年3月には、羽田空港国際線の発着枠拡大で米国路線が大幅に増加する。JNTOは「好機と捉えて、引き続き積極的に各種プロモーションを行い、米国からの訪日旅行者数拡大に努めていく」としており、今後も官民が連携して日本観光をPRする取り組みが増えていきそうだ。
米コンデ・ナスト・トラベラーは、主に高所得者層に購読されており、読者数は約330万人。読者投票は1988年から実施しており、都市以外にもホテルやクルーズなどのランキングがある。2019年は60万人以上が投票した。
日本の3都市を除いたランキングは、3位シンガポール、4位ウィーン(オーストリア)、6位コペンハーゲン(デンマーク)、7位アムステルダム(オランダ)、8位バルセロナ(スペイン)、9位台北(台湾)、10位シドニー(オーストラリア)。
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