迫る相鉄の都心直通、今後が見えてきた:いよいよ、時がきた(2/4 ページ)
相模鉄道が大きな存在感を見せるときがやってくる。11月30日、相鉄・JR直通線開業により、相鉄がJRと相互乗り入れを行うのだ。相鉄のJR乗り入れで何が変わって、今後どうなるのか。
沿線が、変わる
相鉄はJRや東武への直通と並行して、沿線の街づくりにも取り組んでいる。いずみ野線沿線のリノベーション計画や、泉ゆめが丘地区の土地区画整理事業といった住宅地の改善計画に加え、西谷周辺での住宅事業や、海老名でのタワーマンション、沿線での賃貸マンション事業への参画など、住環境の整備も同時に行っている。
単純に都心へのアクセスをよくするだけではなく、「選ばれる」ための要素にも力を入れている。
カギとなるのが2018年にリニューアルした二俣川。「JOINUS TERRACE 二俣川」が4月に完成し、商業施設と住宅施設を一体化した巨大な複合施設として、沿線で人が集まる場所となった。12月には駅舎のリニューアルも完成した。
では、相鉄にとって二俣川とはどのようなポジションの駅なのだろうか。全列車が停車し、いずみ野線と本線の乗換駅でもあり、緩急接続が可能な駅である。一方でJR直通開始後は、直通列車への乗換駅として重要な役割を果たす。
そんな二俣川に、相鉄は「JOINUS TERRACE 二俣川」を設け、人の集まる場所をつくった。「選ばれる」ためには、沿線のクオリティーが大事であり、そのクオリティーを高めることも、相鉄は行っている。
相鉄はこれまで、ほかの首都圏大手私鉄とは違い、都心に直通していないことがウィークポイントだった。都心への直通は、悲願だった。相鉄沿線に暮らす人は、都心に向かう場合どうしても横浜で乗り換えるしかなかった。
しかし都心への直通が可能になり、その弱点は解消される。11月30日のJR直通、2022年度下期の東急との直通により、都心へのアクセスが格段に向上する。それにより、生活するエリアとして相鉄沿線が「選ばれる」ことになる。
その相鉄が「選ばれる」ために、多くの人を「引きつける」ために行われているのが、「DESIGN BRAND UP PROJECT」だ。
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