マツダも初の量産化 “普及EV”に向かうクルマのカタチとは 東京モーターショー2019:先進技術が満載(2/2 ページ)
10月24日に開幕する「東京モーターショー2019」では、電気自動車(EV)をはじめとした電動化技術を目玉とする展示が目立つ。マツダは初の量産EVを初公開した。
ホンダ、新電動二輪を20年春発売
ホンダは20年に日本で発売する後輪駆動のEV「Honda e」を日本初公開。また、四輪車だけでなく、二輪車やエネルギーマネジメント技術を含む、独自の高効率電動化技術の総称として「Honda e:TECHNOLOGY」を発表。電動化技術の広がりを目指す。その一環として、新たなハイブリッドシステムを搭載したモデルを「e:HEV」と定め、今回初公開した新型「フィット」などに展開していく。
二輪では、電動スクーター「BENLY e:」と三輪電動車「GYRO e:」を初公開。配達などを伴う業務用として訴求していく。バッテリーが着脱式になっていることから、走行後に充電済みのバッテリーに交換するだけで充電が完了する。「いずれは、バッテリー交換ができる拠点を街にたくさん設置し、バッテリーをみんなで使うことを想定している」(担当者)という。「BENLY e:」は20年春の発売を予定している。
トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」も、EVのコンセプトカー「LF-30 Electrified」を世界初公開。モーターの駆動力制御による車両運動制御技術「Lexus Advanced Posture Control」や4輪のインホイールモーターなど、最新技術が詰め込まれている。「電動化技術を用いた車両基本性能の大幅な進化」を目指して、多くの先進技術を採用した。
それらの技術を活用して、20年代前半にEV専用モデルやプラグインハイブリッド車を投入。25年には全車種に電動車を設定する計画だ。まずは19年11月にレクサス初のEVを発表し、20年に発売を予定している。
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