スバルはこれからもAWD+ターボ+ワゴン:池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/5 ページ)
スバルは東京モーターショーで新型レヴォーグを出品した。レヴォーグはそもそも日本国内マーケットを象徴するクルマである。スバルは、日本の自動車史を代表するザ・ワゴンとして、レヴォーグはGTワゴンという形を死守する覚悟に見える。
温室効果ガス時代のフラット4
さてエンジニアリングを見ていこう。見ていこうといっても現状スバルからは何一つといっていいくらい情報は出ていない。発売まで1年近くあるかもしれないモデルなので、当然といえば当然なのだが、以後の詳細技術はあくまでも筆者の予想に過ぎないことは、あらかじめお断りしておきたい。
さて、レヴォーグの基本はAWDである。スバルの場合、インプレッサと他社OEM車両を除くとFFモデルは選べない。デフォルトがAWDである。元々生活四駆からスタートしたスバルは、リアルワールドでの性能に強いこだわりを持っており、その走破性には定評がある。北米のYoutubeなどを見ると、雪や氷でスタックしてしまった巨大なトラックを、レガシィが軽々と牽引(けんいん)してみせる動画なども多く、スバリストによるそういう地道な草の根的なヒーロー活動が、今のスバル・ブランドを築いてきたともいえるだろう。
AWDはいいとして、温室効果ガス問題が厳しく糾弾される時代の問題はフラット4にあるだろう。厳しさを増すCAFE規制の中で、この形式はCO2排出量を削減していくには不利なエンジンだ。とはいえ、ことはメーカーだけの問題ではなく、ユーザーも巻き込んでいる。つまり「フラット4でなくてもスバルだ」とお客さんは本当に認めてくれるのかどうか。それは分からない。
雑な予想に過ぎないが、2040年頃にはEVがそれなりに主流化しているだろうし、おそらくスバルの主力もEVとなっているだろう。しかしそれまでの間どうするかは、スバルにとって中々厳しい課題である。
現在スバルが発表している中期戦略によれば、CO2対策には2つの戦略が採られている。1つはトヨタのTHS2ハイブリッド(HV)システムを組み込んだ、プラグインハイブリッド(PHV)で、北米でクロストレックに搭載されている。
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