2015年7月27日以前の記事
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スバルが生まれ変わるために その1池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ)

筆者を、スバルは北米の有力ディーラーへと招待した。ペンシルバニア州アレンタウンの「ショッカ・スバル」は、新車・中古車を合わせた販売数で全米1位。新車のみに関しても、全米最多級である。「スバルは他と違う」と、この自動車販売のプロフェッショナルは、本気でそう思っている。けれど、具体的に何がどう違うのかが全く説明されない。北米ビジネスの成功について、何の戦略があり、何をしようとしているのか、それを知りたいのだ。

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 完成検査問題以来、スバルは苦しんでいる。ステークホルダーからは厳しい指摘を受け、ロイヤリティユーザーの一部も離れ始めている。そうした中で、今、スバルは「変わらないと未来がない」ことに気づいている。それは事あるごとに伝わってくるのだが、しかし一方で、どう変わればいいのか、あるいは何を変えればいいのかということについて、スバルはまだ答えをつかんでいないように見える。

 世の中には「岡目八目」という言葉がある。当事者には見えない重要なポイントが、第三者からは見えることはよくあることだ。筆者から見えるスバルの状況がどんなものなのか、それを書くのがこの原稿の目的だ。

 筆者の思い過ごしでなければ、「スバルよ変われ!」という記事を書いて以来、スバルはこれまで以上に、筆者に取材の便宜を図ってくれるようになった。


今回取材した、北米トップクラスの販売力を持つペンシルバニア州のショッカ・スバル

 それは、スバルの苦衷(くちゅう)を現しているのかもしれないが、藁(わら)をも掴(つか)む思いで、外部からの批判の声に耳を澄ませ、スバルが自ら変わりたいと強く願っているという意味だと筆者は解釈している。世界のどこの国でも、自動車産業は例外なく国益を担っている。スバルももちろんその一角を占め、日本の産業界の、ひいては日本国民の幸せを支えている。

 だからこそ、微力ながらスバルの変革を応援したいと思っている。そんな筆者を、スバルは北米の有力ディーラーへと招待した。多くの方がご存知の通り、ここ数年スバルは北米で絶好調である。その北米でのビジネスを見せたい。多分そう考えたのだと思う。

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