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マツダCX-30の発売と、SKYACTIV-X延期の真相:池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)
マツダ第7世代の2番バッター、CX-30が10月24日に国内発売となった。Mazda3のときもそうだが、このSKYACTIV-Xの遅れを、設計に問題があったとする記事をいくつか目にした。その真相を語ろう。そして、海外試乗時から大幅に改善されたCX-30について。
バランスの良さが光る一台
さて、そんなわけでCX-30は、一気に今年乗ったクルマの中で特筆すべき1台に加わった。SUVらしく高い着座面高によって得られる乗降性の楽さ、アップライトなポジションによる視界の良さ、リヤクォーターの視認性、CX-3比でもMazda3比でも豊かになった室内空間とリヤシートの居住性、さらにラゲッジのサイズとテールゲートのオープンラインの低さといったあらゆるユーティリティにおいて、我慢がいらない。もちろん上にはCX-5やCX-8があるが、立体駐車場に入れられるかどうかという実用の壁がそこには存在する。
懸念されていた価格はどうか? 最も安い2リッターガソリンのFFモデル、20Sは239万円。マツダの場合、主要な安全装備はどのグレードでも装備されているが、欲をいえば今から買う新車なら安全装備や運転支援は充実させたい。20SのPROACTIV Tourring Selectionだと273万円とそれなりの値段になる。ディーゼルは289万円から331万円。年明け発売のSKYACTIV-Xは329万円から371万円だ。
高いか安いかは買う人が決めることだが、筆者としてはクルマの出来でがっかりするようなことはないだろうとだけ言っておく。
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