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カメラ売り場をどかして酒の試飲カウンターを設置したビックカメラの狙い:気合が入りまくった運営(3/3 ページ)
ビックカメラの酒売り場に試飲カウンターがじわりと増えている。1日で数百人単位が利用するほどにぎわってる店もある。新宿西口店ではカメラ売り場をどかして酒売り場に変えた。
イベントも定期的に開催
同店では酒を楽しみながら知識を深めるイベントを開催している。例えば、11月上旬には、テイスティングセットを注文したお客を対象に、30分程度のワインセミナーを開催した。過去には、海外からワインの生産者も呼んでいる。
家電製品とコラボした企画も開催している。例えば、シャープの水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」を利用して料理をつくり、試飲カウンターのお客に試食として提供する。通常の家電コーナーを歩いていて、販売員から試食を受け取るのを遠慮してしまうようなお客もいるが、こういった形なら自然と受け入れてもらいやすい。
大宮氏によると、この試飲カウンターを利用する客層は幅広い。女性客が午前中に1人でふらりと訪れることもあれば、高齢のお客も利用するという。また、インバウンド客が多い土地柄のせいか、外国人客が3割程度を占める。
こうしてみると、試飲カウンターや独特な酒売り場は店舗全体の客層を広げるのに一定の役割を果たしているといえそうだ。また、さまざまなイベントや酒以外の関連商品を並べることで「コト消費」も喚起しようともしている。
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