JT「プルーム・エス」半額未満に大幅値下げ “紙巻”値上げの一方で“加熱式”は低価格化:プレイヤーも増加中
JTが加熱式たばこ「プルーム・エス」の値下げを発表した。12月1日から、従来価格が7980円のところ、半額以下の3480円に値下げする。加熱式たばこ市場はプレイヤーが増えるとともに競争が激化し、低価格化が進んでいる。
JTは12月1日、加熱式たばこ用デバイス「Ploom S(プルーム・エス)」スターターキットのメーカー希望小売価格を、現行の7980円(税込、以下同)から3480円に値下げする。
プルーム・エスは2019年8月に全国での販売を開始。JTでは従来、加熱式たばことして「Ploom TECH(プルーム・テック)」を販売していた。プルーム・テックは「低温加熱方式」を採用し、蒸気によってたばこを加熱する。においや有害物質を抑えられる一方で、紙巻たばこのような「吸いごたえ」に関して課題を抱えていた。そこで、プルーム・テックよりも加熱する温度を高めた「Ploom TECH+(プルーム・テック・プラス)」と、加熱式たばこシェアで圧倒的な存在感を見せるIQOSと同じ「高温加熱式」のプルーム・エスを新たに投入した。
広報担当者によると、プルーム・エスの販売数が当初の予想よりも伸び悩んでおり、新たな施策を検討する上で、今回の値下げが決まったという。価格改定後は従来の半額以下となる大幅値下げだが、「プルーム・エスなど加熱式たばこによる利益は、デバイスの販売ではなくリフィル(デバイスに差し込んで加熱する、従来のたばこのようなもの)の販売で出していく」と担当者は話す。
増税により紙巻たばこが値上げを続ける中、加熱式たばこのデバイスは低価格帯へシフトしている。加熱式たばこで高い存在感を持っているフィリップモリスジャパンのIQOSは、最も安い「IQOS 2.4 PLUS キット」が4980円。ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンが展開するモデルは、19年10月に発売した「glo pro」が4980円、「glo nano」が3980円。
さらに、インペリアル・タバコ・ジャパンも市場へ参入。19年5月から地域限定で発売し、10月に全国展開を果たした「PULZE」は、現在3880円で販売している。こうした中でプルーム・エスの「7980円」という価格は、ユーザーにとっては確かに購入の障壁となっていたかもしれない。今回の値下げにより、プレーヤーも増えた加熱式たばこ市場の競争が激化しそうだ。
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