IQOS、最新モデルで「連続吸い」需要取り込む 増税後の価格は据え置き ユーザーサポートも充実:故障時には最速7時間で交換
IQOSの最新モデル「IQOS 3 DUO」が発売。2本連続で吸えるようになったとともに充電時間も短縮された。サポートなども充実させ、会員プログラムにはステージ制を導入。故障時には、最短7時間で代替品を届けるシステムを構築した。新規ユーザーの増加とともに定着を狙う。
フィリップモリスジャパン(PMJ、東京都千代田区)は9月25日、加熱式たばこ「IQOS」の最新モデルとなる「IQOS 3 DUO」(希望小売価格9980円、税込、以下同)を発売した。IQOSオンラインストアやIQOS LINE公式アカウントで購入可能。26日からは全国のIQOSストアでも発売する。同モデルは2018年11月に発売した「IQOS 3」の後継機で、充電時間を短縮。また、1本吸った後にホルダーを再充電せず2本目を吸うことができる「連続吸い」も可能となった。新規ユーザーの獲得や定着に向けた新サービスも展開する。
連続吸いについては、18年に発売した「IQOS 3 MULTI」(6980円)で既に対応。こちらはホルダーとバッテリーであるポケットチャージャーが一体化したモデルで、10本連続で吸うことができる。担当者は「禁煙のムーブメントが高まり、喫煙できる場所は減りつつある。また、一昔前であれば勤務中でも『たばこ休憩』として一服する人も多かったが、難しくなっている」と分析。一度に何本も吸う「吸いだめ」をする人が増えているという。こうしたことを背景に、新モデルでも連続吸いができることをアピールする。
記者会見では新たなサービスも発表された。同社の発表によると、現在IQOSは14年の発売以降シェアを拡大し、全世界で1100万人のユーザーを獲得。今年で発売から5周年を迎え、既に展開しているモデルの価格改定を行うなど、さらなるユーザー獲得を狙っている。その一環として「無料レンタルプログラム」を実施する。
同プログラムでは、氏名や住所、クレジットカード情報を登録するだけで申し込みができる。返送費用についてもPMJが負担する。期間は最長14日間。今回発表の最新モデルも含めた3機種が対象だ。気に入った場合は、そのまま買い取ることも可能。
新規加入者以外へのサービスも強化。会員向けに展開しているプログラム「IQOSPHERE」を、3段階のステージ制へと変更する。年会費は0円で、同社の用意するアクティビティーや、提携する飲食店で食事した際などに独自ポイントの「QOINS(コインズ)」を付与。コインズが貯まるごとにステージがランクアップしていく仕組みだ。ステージは1年ごとに更新され、最高位である「プラチナ」となった際には最新モデルがプレゼントされる。また、ヤマト運輸など4社と提携し、故障時には最短7時間で交換対応したり、24時間体制のカスタマーサポートを提供したりする。
海外では、電子たばこを吸ったことが原因とみられる疾患で死亡した人も出てきている。米国では、味や香り付きの電子たばこの販売を停止する方針を政府が発表するなど、波紋も広がっている。こうした騒動について同社のシェリー・ゴー社長は「IQOSは科学的根拠に基づき、医療専門家なども交えて開発している。アメリカでも販売許認可を得ており、安全性には自信を持っている」とコメント。一方で「許認可があるからといって『完全にリスクがない』とも言い切れない。青少年への悪影響などについても責任を持ち、マーケティング活動を行っていきたい」と話している。
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