牛サラダに麻辣牛鍋 吉野家が自前主義にこだわらぬメニュー開発を続々:大ヒット商品も
吉野家が自前主義にこだわらぬメニュー開発を進めている。初めて外部と開発した牛サラダは大ヒットした。麻辣牛鍋の開発にはどんな料理人が関わっているのか。
吉野家が10月15日に発売した「麻辣牛鍋膳」(並盛で税別748円)。これは、「中華の鉄人」として有名な陳健一氏が監修した商品で、麻辣牛鍋とごはん、漬物がセットになっている。同商品は、吉野家が初めて外部の料理人とコラボレーションして開発したものだ。2020年の2月末まで、提供を続ける。
麻辣牛鍋は豚骨と鶏ガラを煮込んだスープに特製麻辣タレを加え、具材を煮込んでいる。陳氏が特別に配合した“究極の麻辣タレ”は、3つの醤(豆板醤、麻辣醤、甜面醤)と7つの香辛料(花椒、唐辛子、五香紛、クローブ、スターアニス、ブラックペッパー、クミン)を使用している。
今回のコラボレーションは、吉野家と異なる感性や技術を料理に取り入れることが目的だった。広報担当者は「商品開発をする前に市場調査をしました。麻辣ブームが起きていることが分かったので、この分野の第一人者である陳氏に監修を依頼しました。もちろん、自前で開発できるものは自前でやりますが、その点は柔軟に行っています」と説明する。
吉野家は5月9日に「ライザップ牛サラダ」(500円)を発売した。この商品は、ライザップと共同開発したものだが、外部とのコラボレーションは初めての試みだった。ライザップ牛サラダは売れ行きが好調で、発売から74日目で販売数が100万食を超える大ヒットとなった。
外部とのコラボを強化する動きは、大手回転寿司チェーンのスシローでも見られる。スシローは「匠の一皿プロジェクト」を立ち上げ、7月19日から有名料理人が開発に関わった商品を続々と投入している。スシロー幹部は記者会見で「寿司以外の領域からエッセンスをもらうため」とその狙いを語った。
これまで自前主義にこだわってきた外食チェーンが、外部とコラボする事例は今後も出てくるだろうか。
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