2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

ビットコインはデジタル・ゴールドなのか? マネックス大槻氏に聞く(2/7 ページ)

暗号資産(仮想通貨)の代表例であるビットコインは、しばしば「金」(ゴールド)と 比較される。金が埋蔵量に上限があるように、ビットコインはアルゴリズム的に採掘上限が定められている。さらに、価値を保証する発行体がないというのも、ビットコインと金の共通点だ。しかし、果たしてビットコインはデジタル版の「金」になり得るのか。マネックス証券のチーフアナリスト、大槻奈那氏に聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

ビットコインとゴールドはどこが似ていて、どこが違う?

――ビットコインはデジタル・ゴールドだともいわれる。似ている点と違う点をどう捉えたらいいのか。

 ゴールドは価値を蓄積できる。ゴールドを持っていることで、自分がどこに行っても、価値を一定程度は貯蔵できるものだ。金自体は利息も配当も生まないが、自分が働いて得たものを一時的に保管するツールにはなり得る。同じ意味で、ビットコインは金との類似性が比較的高いと思う。


ビットコインと金の価格推移(マネックス資料より)

 ただしビットコインが本当に価値を安心して蓄えておくためには、価格が過度に下落しないこと、またハッキングなどの事故が起こらないことが重要だ。完全にこの問題を解決するのは難しい。この完璧ではないことを取って、ビットコインなんて……という人もいる。ただし金も同じで価格は上下するし、盗まれないかといったらそんなことはない。

 「金には利用価値がある」という人もいる。アクセサリーにもなるし、機械の部品にもなる。ここが、ビットコインとの大きな違いだ。そのため、ビットコインが何らかの形で「使える」というニュースが出ると、価値が見直されて価格が上がる。ビットコインがさまざまな店舗で利用できるようになれば、金と類似の役割を果たせるようになるだろう。

 金は重くて持ち運びにくいが、暗号資産は重量に制約されない。だから皮肉なことに、盗難が起きたときには金額のケタが違ってしまう。功罪あるが、物理的なモノを運ばなければいけないものに対して、移動が容易だという特徴もある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る