2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

ビットコインはデジタル・ゴールドなのか? マネックス大槻氏に聞く(4/7 ページ)

暗号資産(仮想通貨)の代表例であるビットコインは、しばしば「金」(ゴールド)と 比較される。金が埋蔵量に上限があるように、ビットコインはアルゴリズム的に採掘上限が定められている。さらに、価値を保証する発行体がないというのも、ビットコインと金の共通点だ。しかし、果たしてビットコインはデジタル版の「金」になり得るのか。マネックス証券のチーフアナリスト、大槻奈那氏に聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

国の格付けに連動するビットコイン

――機関投資家がビットコインなどの暗号資産を、どう評価するかがカギということだった。米国では、機関投資家が暗号資産に目を向け始めているようだが、各国の状況はどうか。

 米国では、機関投資家といってもファミリーオフィスが多いという話もある。日本では機関投資家の保有はほぼゼロ。欧州もこれからだ。米国以外では、他の要因でビットコインへの流入がある。

 よくいわれるように、新興国からの資金の逃避先としてビットコインが選ばれている。価値を保存する方法として、自国の通貨よりもビットコインのほうが勝っているという国もあるからだ。


香港ドルからビットコインへの資金流入(週次)。香港のデモが激しくなるのと連動して資金がビットコインへと動いた(マネックス資料より)

 国の格付けと、国民の暗号資産への許容率の関係を見ると、見事な相関が見られる。格付けが低いトルコでは暗号資産への許容率が高く、格付けのより高いオーストラリアでは共立が低い。日本で調査すると、だいたい3割くらいが「今後、暗号資産は地位を増すと思う」と感じている。日本の格付けはA+くらいなので、日本もちょうどこのグラフに当てはまる。

 ここから先、安定している国でも、財政がおかしくなって国の格付けが下がっていくと、トルコのような暗号資産の許容率に近づいていく可能性がある。国の信用力に応じて、ビットコインや暗号資産の需要が高まる可能性があるわけだ。


国別の、暗号資産への許容率と格付けの関係。国の格付けが低くなるに従って、暗号資産を許容する人が増えることが分かる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る