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ビットコインはデジタル・ゴールドなのか? マネックス大槻氏に聞く(6/7 ページ)

暗号資産(仮想通貨)の代表例であるビットコインは、しばしば「金」(ゴールド)と 比較される。金が埋蔵量に上限があるように、ビットコインはアルゴリズム的に採掘上限が定められている。さらに、価値を保証する発行体がないというのも、ビットコインと金の共通点だ。しかし、果たしてビットコインはデジタル版の「金」になり得るのか。マネックス証券のチーフアナリスト、大槻奈那氏に聞いた。

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ビットコインは新たな資産クラスになり得るのか

――暗号資産は新たな資産クラスだという人と、資産には当たらないという人がいる。現時点ではどう見ているか。

 伝統的な資産だけが価値があるものではない。例えばデリバティブも、当初はリアルな資産に対して、マネーゲームとして取引されているだけだといわれた。しかし取引が成り立つことで、資産として扱われ始めてきた。

 外国通貨の取引についても、その国に行ってその通貨を使う人がやっているわけではない。ビットコインの取引も、ほかの株式などのヘッジツールであると捉えるなら、デリバティブと一緒だ。手に取れて、形が見えることは必須ではない。

 マーケットが確立してくれば、自然と価値が定まってくるだろう。ビットコインETFも、承認は望み薄にはなってきたが、広い投資家層に訴求するきっかけになる。

――日本で再び暗号資産に注目が集まるのだろうか

 日本は仮想通貨バブルの崩壊で痛い目にあっている。個人だけでなく、機関投資家もレピュテーション上、投資ができない。これが変わるには時間がかかる。米国でも、そこまで暗号資産がいいと思われているわけではないが、日本ほど悪い印象は広がっていない。

 マウントゴックス事件のときも、マーケットが過去の痛みを忘れるのに3年くらいかかっている。それを見ると、この春の暗号資産の価格上昇は早すぎだ。

 米国の機関投資家がポートフォリオを開示したときに、暗号資産が入っていて、パフォーマンスが高ければ、日本の機関投資家も負けないために暗号資産を組み入れることになる。実績として示されれば流れは変わってくる。

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