無印良品を運営する良品企画は11月21日、パウダー状にしたコオロギを練り込んだ「コオロギせんべい」を2020年春に発売すると発表した。価格は未定。
同社は昆虫食の研究を行う徳島大学と協業し、「おいしく食べられる昆虫食」の開発を進めている。コオロギの食用には、「タンパク質やカルシウム、鉄分などを体内に多く含んでおり、栄養価が高い」「家畜と比べて生育する際の環境負荷が少ない」「飼育しやすく安定して生産でき、他の昆虫よりも成長が早い」といったメリットがあるという。コオロギせんべいには、徳島大学の研究をベースに量産したコオロギを使用するとした。
昆虫食は、国連食糧農業機関(FAO)が食糧問題の解決手段の1つに挙げたことで注目を集めており、海外では昆虫養殖などを行う企業も増えつつある。
良品企画は昆虫食への進出について、「当社は生活に必要な商品の販売だけでなく、さまざまな社会課題にも目を向けている。中でも、世界の急激な人口増による食糧確保と環境問題は避けては通れない課題であり、それを考えるきっかけになればと考えた」とコメントしている。
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