変わりゆく池袋 “暗い、怖い、汚い”を一掃する再開発、意外な2つのポイント:ハレザ池袋、電気バスが開業(3/4 ページ)
東京・池袋の街が大きく変わろうとしている。11月は「ハレザ池袋」のオープンや池袋西口公園のリニューアル、「イケバス」の運行開始など、変化が続いた。再開発プロジェクトが進んできた背景には、大きなきっかけがある。2つのポイントで読み解くと……
「4つの公園」が再開発プロジェクトの核
池袋エリアの再開発プロジェクトは「4つの公園」が中心となっている。16年にリニューアルした「南池袋公園」、ハレザ池袋と一体的にリニューアルした「中池袋公園」、大型の野外ステージを設置した「池袋西口公園」、そしてサンシャインシティに隣接する造幣局跡地で整備中の「造幣局地区防災公園」だ。
16年にいち早く完成した南池袋公園は、暗くて近寄りがたい場所から、芝生が広がるきれいで明るい場所に変貌した。ベビーカーを押して訪れる人も多く、子どもが走り回る姿が日常的にみられる。また、東京電力地下変電所を誘致するなど、地下を活用することで「稼ぐ公園」としても機能。公園運営のモデルケースとして参考にされることも多いという。
池袋西口公園は1970年に豊島師範学校跡地につくられ、90年に隣の東京芸術劇場と一体的に再整備された。2000年のテレビドラマ「池袋ウエストゲートパーク」のロケ地としても知られる。
今回のリニューアルでは、五線譜をイメージした直径35メートルの巨大なリングが印象的なスポットに変わった。「グローバルリング」という愛称で、新たなランドマークの役割を担う。縦3メートル、横11メートルの大型ビジョンを備えた野外劇場となり、クラシックコンサートやダンス、演劇などの用途に活用する。広場中央にある噴水を連動させたデジタルアートコンテンツの上映もできるという。
ファミリーが気軽に訪れる南池袋公園、アニメ・マンガの拠点の中池袋公園、音楽や演劇などの劇場となる池袋西口公園、そして、広大な敷地を生かして子どもの遊び場設置と大学誘致を行う造幣局跡地の公園。4つの異なる性格を持った公園を中心に新しい施設がつくられ、その間を赤いイケバスが往来する。それが、池袋エリアの変化の全体像だ。
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