コラム
仕事ができることと、出世することは無関係か(2/4 ページ)
仕事ができれば出世できるのか?――。このテーマは、サラリーマンが集う居酒屋でよく議論になることだ。この問題をちょっと考えてみたところ……。
「仕事をした」「結果を出した」「目標をクリアした」といくら叫んでみても、その結果が本当にその人の貢献、その人のスキルのおかげだったかを評価するのは、あくまで社内のほかの人との比較であり、評価する人は残念なことに、その会社の人だ。なので主観も入れば、好き嫌いも入る。
最終的には、その会社の経営者の判断ということになるのだろう。
経営者(特に中小企業のオーナー社長)というのは、いい意味でも悪い意味でも、「この組織のなかで一番仕事ができるのは自分だ」と思っている人種なので、仮に、客観的に、その組織のなかで経営者を超える能力を持った社員がいたとしても、それを認めることができる経営者はめったにいない。
だから、よく言われることなのだが、社長以上の人材は、その会社にはいないということになる。
あなたが、独立した経営者なら分かるだろうが、「自分のほうができる」と思うから独立し、会社を立ち上げたはずなのだから。
かつて、ある高名な経済学者が、「本当に仕事ができる人は出世しない。出世には別のスキルと業務が必要で、仕事ができて忙しい人はその業務をこなすことができない。仕事ができず、暇な人に限って出世のためのタスクをこなすことができる」と語ったのを聞いたことがある。
当時、まさにその通りだと感じたものだ。
本当に仕事ができて忙しい人は、社内の人脈づくりや仕事外の付き合いに使う時間などないし、使うつもりもない。
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