セブン「おでん無断発注事件」に進展 ホットライン開設で本格調査へ 08年にも同様のケース:11月27日から窓口開設
セブンのおでん無断発注問題。既に2人が懲戒処分を受けているが、11月27日から約1カ月間、過去のケースについてFC加盟店から通報を受け付けることを決めた。真相は解明されるのか。どれくらいの規模で無断発注は行われていたのか。
セブン‐イレブン・ジャパンは、本部社員がフランチャイズチェーン(FC)加盟店の店員に無断でおでん発注を行っていた問題で再発防止策を取り決めた。広報担当者によると、11月27日から約1カ月間、電話での通報ホットラインを設ける。今回の問題では、2019年9月に都内の加盟店で無断発注が行われていたことが発覚。これに伴い、本部社員2人に対して懲戒処分を行った。
こうした状況を受けて、過去の事案を含めた無断発注について、FC加盟店オーナーからの通報を受け入れる体制を構築することを同社内の会議で決定。通報した人の匿名性を担保するため、対応は本部ではなく外部機関で行うという。通報があった際には調査を行い、不正が確認できたら処分を含めて対応を検討する。
1カ月という期間の設定はやや短く感じるが、「これまでにどういったケースがあったのか、あくまでもそうした事柄の実態調査として、『まず話を聞く』ことから始める」と担当者は説明する。ただ、11月18日付の共同通信報道によると、少なくとも08年には同様の無断発注事案が起きていたともされている。ホットラインの開設に先立ち、これまでに何件ほどこうしたケースがあったかをITmedia ビジネスオンライン編集部が質問したところ、「件数については控えさせていただく」と回答した。
(出所:セブン無断発注、08年には把握)
また、おでんだけでなく恵方巻などの季節商品でも“自爆営業”として、ノルマを達成できなかった分をFC加盟店に買い取らせていたことも過去には話題になっている。件数ではなく、過去にどのような商品で無断発注が起きていたのかの質問についても、明確な回答はされなかった。
ホットラインの開設以外にも、管理職を含んだ社員研修や、無断発注できないようなシステムの構築などを行い、「そもそもあってはならないこと」(広報担当者)である無断発注を防いでいくという。
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