チキンサンドに何が起きているのか 全米で人気爆発の背景:騒動も(4/5 ページ)
米国のファストフードで、チキンサンドが盛り上がっている。話題の商品を手に入れるために、長蛇の列ができることも珍しくないが、そもそもなぜチキンサンドが売れているのか。以前からあったメニューなのに……。
他社もチキンサンドを投入
チックフィレイがチキンサンド人気をけん引するなか、ほかのファストフード店もチキンサンドを投入し、ファストフード業界では各社がチキンサンドのシェアを狙って「戦争」状態になっているのだ。いまでは、ファストフード業界で一番注目されるカテゴリーになった。
業界トップのマクドナルドも例外ではない。ビジネスが好調なチックフィレイのシェア拡大を黙って見ているわけにはいかないとばかりに、チキンサンドのメニュー開発が同社のトッププライオリティとなっているという。
もちろん、マクドナルドのメニューにも、チキンナゲットやチキンサンドはあるのだが、チックフィレイのチキンサンドに対抗できるようなプレミアム商品がない。
それでもマクドナルドは、ポパイズの新商品とタイミングを合わせるかのように、9月に「スパイシーBBQ チキンサンド」を発売した。そのチキンサンドとは、ゴマ付きのバンズにスパイシーなBBQソースをかけたフライドチキン、スライスしたピクルスとオニオンを挟んだものになっている。
しかし、同社の努力もむなしく、少なくとも現時点では、ポパイズのようにセンセーションを巻き起こしていないようだ。
また、他社とは異なるアプローチでチキンサンドのシェアを狙っているのが、フライドチキンを主力商品としたファストフードチェーンのKFCだ。植物由来の原材料を加工して作られる、代替え食品のミートレス・チキンを使ったメニューの開発を行っている。
同社は、ミートレス業界大手の「Beyond Meat(ビヨンド・ミート)」が開発した「Beyond Fried Chicken」を使ったチキンウィングやナゲットなどを、アトランタ州の店舗でテスト販売したばかりだ。
そのテスト販売では、用意した商品が1日で完売したという。まだテストの段階なので、実際にメニューに採用して全米で展開するのかは未定だが、今後の動向が注目される。
関連記事
- ちょっと前までチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が、減速した理由
ブームの牽引役などとチヤホヤされていた「いきなり!ステーキ」が叩かれている。2018年12月決算は、8年ぶりに赤字。低迷の原因として、米国での閉店や類似店舗の増加などが指摘されているが、筆者の窪田氏は違う見方をしている。それは……。 - 松戸市にあるパン屋で、なぜお客は1800円も使うのか
「パン好きの聖地」と呼ばれている店が、千葉県の松戸市にあるのをご存じだろうか。「Zopf(ツオップ)」である。1個のパンを求めて、朝から行列ができているわけだが、なぜ人はここの商品を食べたいと思うのか。シェフに話を聞いたところ……。 - えっ、炊飯器じゃないの? 三菱電機の高級トースターが面白い
三菱電機が高級トースターを投入する。この市場を見ると、バルミューダ、アラジン、シャープなどたくさんの商品が並んでいるが、三菱のトースターはどのような特徴があるのか? パッと見たところ、小さな炊飯器のように……。 - 「コンビニの書店強化」が大コケすると思う、これだけの理由
コンビニが客と本を結びつける場になるのではないか、と注目を集めている。店内の書店棚を充実させたり、書店との一体型店舗を始めたり、大手3社はさまざまな取り組みを始めているが、本当にうまくいくのか。筆者の窪田氏は否定的な見方をしていて……。 - “売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか
魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。しかも、20年も売れ続けていて……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.