調査リポート
外出が減った! 総移動回数、初めて減少
国土交通省は「東京都市圏パーソントリップ調査」を実施し、その結果を発表した。人の移動を調査するもので、総移動回数は減少傾向にあることが分かった。
どのような人がいつ、何の目的で、どこからどこへ、どのような交通手段で移動しているのか。関東圏の総トリップ数(ある地点からある地点へ移動する単位)を調べたところ、2008年のデータと比べ、約13%減少(約1116万トリップ)していることが、国土交通省の調査で分かった。
本調査は1978年から、10年に一度のペースで実施している。これまで総トリップ数は右肩上がり伸びていたが、今回の調査で初めて減少した。
外出率をみると、08年から9.8ポイント減少。年代別にみても、すべての層で減少していて、20〜60代については08年と比較し、約1割減少した。40歳以上の外出率はこれまで増加傾向にあったが、今回の調査で減少に転じた。
就業状態別・職業別にみても、全属性で外出率が減少。特に「自営業など」「専業主婦・主夫」は17〜18ポイント減少した。一方、「会社員など」「園児・生徒・学生など」の外出率も低下したものの、減少幅は他の属性に比べて小さい。
交通手段をみると、鉄道は引き続き増加しているが、自動車は1998年以降減少傾向にある。08年のデータと比べると、鉄道で3ポイント、徒歩で1ポイント増加しているが、自動車で2ポイント、二輪車で1ポイント、自転車で1ポイントそれぞれ低下した。
本調査に回答したのは、約16万世帯・31万人。対象地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県南部。時期は、18年9月から11月にかけて。
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