消費増税で使い始めたキャッシュレス決済は「PayPay」 ポイント還元で利用は増えた?:QRコード決済は少額ほど利用
10月の消費増税後のキャッシュレス決済の利用状況について、ICT総研が調査結果を発表。増税を機に利用を始めたキャッシュレス決済サービスは「PayPay」が最も多かった。
10月の消費税率引き上げに伴い、政府は中小・小規模事業者へのキャッシュレス支払いに対するポイント還元を支援する「キャッシュレス・ポイント還元事業」を開始した。スマートフォンを使った決済サービスなど、キャッシュレス決済の手段や利用可能店舗が広がっている。
ICT総研が11月28日に発表した「消費増税後のキャッシュレス決済利用状況調査」によると、増税を機に利用を始めたキャッシュレス決済サービスは「PayPay」が最も多かった。
何らかのキャッシュレス決済を普段から利用している人は全体の85.8%に上った。その中で、PayPayについて「消費増税を機に利用を始めた」と回答したのは15%。「楽天ペイ」は8%、「LINE Pay」は6%だったが、その他のQRコード決済やクレジットカード、交通系電子マネーなどは3〜5%にとどまった。PayPayは、増税のタイミングで実施したキャンペーンなどの効果があったようだ。
一方、「消費増税前から利用していた」という回答は、クレジットカードで89%、交通系電子マネーで69%を占め、増税前から浸透していたことが分かる。
普段の決済手段について支払い金額ごとに聞くと、1000円未満だと「現金」が39%と最も多かった。一方、1万円以上だと「クレジットカード」が多くなり、48%の利用率だった。QRコード決済・バーコード決済については、1000円未満で11%、1万円以上で6%となっており、金額が高くなるほど利用率が低くなる傾向があった。
利用用途別の決済手段では、QRコード決済・バーコード決済の利用が最も多かったのが「スーパー・コンビニ」で、21%だった。ただ、スーパー・コンビニにおいても、クレジットカードや電子マネーのほうが利用されている。ネットショップや宿泊施設など、クレジットカードの利用が圧倒的に多い用途も目立った。
調査は、11月8〜13日にインターネットで実施。4190人が回答した。
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