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快進撃続けるアイリスオーヤマの「おじさん技術者」たち 元「東芝」技術者のもと“テレビ”でも旋風を起こせるか大手企業だけが活躍の場ではない(3/4 ページ)

アイリスオーヤマ初の音声操作可能なテレビを開発するために陣頭指揮を執ったのは、東芝を早期退職してアイリスに入社したテレビ事業部長の武藤和浩さんだ。同社の家電事業部の社員は出身企業が異なる「混成部隊」だ。シャープや東芝出身の40〜50代以上もおり、中には30代で前の会社に見切りをつけてアイリスに移ってきた技術者もいるという。果たしてアイリスの「混成部隊」はテレビ事業でも旋風を起こすことができるのだろうか。

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買い替え需要で国内テレビに追い風

 4Kテレビについては18年の11月にテスト販売をした。しかも、過去に販売したことのないホームセンターで売ってみたところ、予想以上の反応があったという。石垣達也家電事業部統括事業部長は記者会見で「正直なところ売れるかどうか不安だったが、幅広い年代層の来店があり、このテレビが受け入れられたと思った」と語った。その後1年間で約10万台のテレビを出荷し、音声機能付きテレビの発売に踏み切ったという。

 現在日本のテレビ市場は、年間約450万台の市場規模だ。18年からは4K対応BS放送が始まり、19年から20年にかけてはラグビーワールドカップ、東京オリンピックなど大きなスポーツイベントがめじろ押しだ。さらに家電業界が最も期待しているのは、今年から来年にかけて見込まれる「買い替え需要」である。09年から10年に年間2000万台以上と爆発的に売れたテレビの買い替え時期を迎えるのだ。これらの要素が追い風となって、今年は500万台以上売れるのではないと皮算用をしている。しかも高価格な大画面の高品質テレビが売れれば、売り上げだけでなく利益増にも貢献するのだ。

 18年のテレビのシェアは1位がシャープ、2位がパナソニック、以下は東芝、ソニーなどであり、アイリスはまだ圏外だ。石垣統括部長は音声機能付きテレビの販売目標について「初年度で5万台の出荷を目指す。中長期的な目標としては、数量ベースで10%のシェアを取りたい」と獲得に強い意欲を表明した。10%ということは、単純計算すると年間50万台を売らなければ達成できない。

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テスト販売では1年間で約10万台のテレビを出荷した
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Wi-FIなどの設定不要で音声操作が可能だ

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