“IT音痴”でも今日からできる! テレワークのセキュリティを高める方法:恐れるべきは「天才ハッカー」ではない(2/2 ページ)
導入が進むテレワーク。18年には企業の19.1%が導入をしている。いつでもどこでも仕事ができる一方で、情報漏えいなどセキュリティの心配がつきもの。「ITに詳しくないけど、テレワークをしている」という人も少なくないはず。そこで、セキュリティの専門家に“IT音痴”でもできるセキュリティ向上策を聞いた。
最も多いのが「紛失」
岡本氏によると、PCの持ち帰りにおいては、「紛失事故」が最も多いのだという。飲み会で酒を飲みすぎてどこかに置いてきてしまったり、電車の網棚に置いたまま電車を降りてしまったり――。基本的なことではあるが、まずこの点に注意が必要だという。
また、「のぞき見」にも注意が必要だ。「自宅ならばあまり気にする必要はないが、新幹線やカフェで仕事をする場合、PCの画面は周りから結構見えている」と岡本氏は話す。「特に隣の席であれば、どのようなタイピングをしているのかも丸見えで、パスワードを容易に見抜かれてしまう」とも話す。海外の例ではログイン情報をのぞき見され、不正アクセスが起こったケースもあるのだという。
また、メールだけであればスマートフォンからも送受信できる。取引先の情報や機密情報が載ったメールを、満員電車で見ている人も多い。「仕事をしていると目の前のことに集中してしまい、周りからの視線に頓着しなくなる。常に『見られている』という感覚を持つ必要がある。のぞき見の問題点は、『誰に見られたのか』が分からないこと。どこに悪意を持った人がいるかは分からないので、気を張るしかない」と指摘する。
無料Wi−Fiは「使わない」
街中や飲食店でも増えてきた「無料Wi−Fi」を便利に使っている人も多いだろう。中にはSSIDやパスワードを設定するものも多く、「これなら大丈夫」と思って使う人も多いのでは。しかし岡本氏は「セキュリティベンダーとして、無料Wi−Fiはおすすめできない」と話す。
「SSID、パスワードのあるアクセスポイントも少なからずある。しかし、そのアクセスポイントを使用する人全てがパスワードを知っていることになる。暗号化されている意味が全くないので、安全性は低い」と指摘する。また、最近では公共のアクセスポイントと似たような名前のアクセスポイントを作ってフィッシングをする人もいるのだという。「基本的にはポケットWi−Fiを使うべき。月々数千円で安全性を購入できるのだと思えば安いはず。可能な限り無料Wi−Fiは使用しないでほしい」と岡本氏。「もし「『どうしても』という場合にはVPNを活用してほしい」と話した。
セキュリティ問題や情報漏えいと聞くと、すご腕のハッカーが攻撃を仕掛けてくるイメージもあるが、あくまでこうした基本中の基本を徹底することで、セキュリティの向上は望めるのだとか。あくまで自分の不注意と、半径3メートルほどの人に気を付ければよいのだと思うと、テレワークをするハードルが何だかちょっと下がった気がする。
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