「無駄なことをやり続ける」 喫茶店不況の中、創業55年のレトロ喫茶が人気のわけ:1964年から2020年へ(1/5 ページ)
喫茶店の倒産が相次いでいる。東京商工リサーチによると、2019年1〜8月の期間で倒産した喫茶店は42件。過去20年の中で最多ペースに並ぶ勢いだ。こうした中で、新宿にあるレトロな“純喫茶”が9月、新たな店を西新宿に出店した。店名は「珈琲西武」。新宿三丁目にある1号店は1964年にオープンし、今年で55年目を数えるほどの老舗純喫茶だ。喫茶店チェーンでは、200円台からコーヒーが飲める店も増えている中、珈琲西武のコーヒーは最低でも600円。それでも、平日や休日を問わず入店待ちの行列ができるほどの人気ぶりだという。
喫茶店の倒産が相次いでいる。調査会社の東京商工リサーチ(東京都千代田区)によると、2019年1〜8月の喫茶店の倒産件数は42件。前年同期は31件だったので、35.4%も増えている。同社によると、過去20年間で最も倒産が多かったのは2011年の70件だという。2019年もこのまま推移すれば、この数字にも迫る可能性がありそうだ。
東京商工リサーチはこうした状況について、コンビニ各社が提供しているコーヒーや、タピオカドリンクのブームなどを理由として挙げている。全日本コーヒー協会発表の「喫茶店の事業所数及び従業員数」によると、国内の喫茶店事業所数は1981年にピークを迎えた。当時は15万軒ほどあった喫茶店は、年を追うごとに減少を続け、2016年時点ではおよそ6万7000軒。消費増税もあり、今後はさらに喫茶店にとって厳しい状況が続きそうだ。
こうした中で、新宿にあるレトロな“純喫茶”が9月、2号店を西新宿に出店した。店名は「珈琲西武」。新宿三丁目にある1号店は1964年にオープンし、今年で55年目を数えるほどの老舗純喫茶だ。喫茶店チェーンでは、200円台からコーヒーが飲める店も増えている中、珈琲西武のコーヒーは最低でも600円。それでも、曜日を問わず入店待ちの行列ができるほどの人気ぶりだという。
喫茶店にとって厳しい情勢が続く今、なぜこんなにも人気なのか。また、このタイミングで新たに出店を決めたのはなぜなのか。担当者に直接取材してみた。
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