「香り」のために“ふた”まで新開発 特許も出願 ローソンが異様にコーヒーへこだわる理由:「香りの総量」は107%に改良(1/2 ページ)
ローソンが、コーヒーの品質向上に心血を注いでいる。10月22日から全国で展開していく新たなコーヒーでは、焙煎の方法を見直す。また、リニューアルしたコーヒーをより良く楽しんでもらうため、ホットコーヒー専用の“ふた”を新たに開発したという。
ローソンが、コーヒーの品質向上に心血を注いでいる。10月22日から全国で展開していく新たなコーヒーでは、焙煎の方法を見直す。また、リニューアルしたコーヒーをより良く楽しんでもらうため、ホットコーヒー専用の“ふた”を新たに開発したという。
今回のリニューアルでは、「香り」を重視。ローソンではこれまで、「原料」や「味わい」に注目してリニューアルを重ねてきた。原料面では、指定した農園、生産地域の豆を100%使用したり、環境に配慮して生産された豆のブランド「レインフォレスト・アライアンス」認証を受けた豆を使用したりするように変更。味わい面では、雑味を軽減したりコクを強調させたりしてきた。
今年のリニューアルで香りへと舵を切った理由について担当者は「お客さまがコーヒーに求めるものが『香り』だということが分かった」と話す。全日本コーヒー協会(東京都中央区)が2017年に発表した「コーヒーの需要動向に関する基本調査」によると、コンビニコーヒーが含まれる「レギュラー」コーヒーの分野に求められるものは「香りがよい」(71.6%)がダントツ。「味にコクがある」(46.1%)「眠気ざましになる」(38.8%)と次ぐ。ちなみに、他のコーヒージャンルではどうなっているのだろうか。「インスタント」ではトップが「飲みやすい」の50.2%。香りについては20.7%と全体の3位となっている。「リキッド」「缶コーヒー」ではそれぞれ5.3%、5.5%とあまり香りは重視されていない。
担当者によると、コーヒーの香り成分は800種類ほど。こうした膨大な数の成分をいかに配合するかで香りの良し悪しが決まるという。また、香りは極めて直感的なものであり、「好き」か「嫌い」の2パターンしかなく、多くの人で好みが一致するのだとか。
そこで、リニューアルでは焙煎方法を見直すとともに、ブレンドも見直したという。「ほとんどのコーヒーは、多くても4焙煎。それがローソンでは5焙煎」と担当者は胸を張る。これにより、「香りの総量」を示す指標である「総香気量」は従来比107%に向上したという。
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