ローソン、伸び悩んでいた「ケーキ」で新シリーズ スイーツの「王道」なのになぜ売れず?:キーワードは「ワンハンド」
ローソンがケーキの新商品「CUPKE」を発売する。スイーツの王道ともいえるケーキだが、これまでなかなか売り上げを伸ばせずにいたという。どのような問題があって、どのように解決したのか。
ローソンが、スイーツの「王道」ともいえるケーキの新商品を展開する。新たなスイーツブランド「CUPKE(カプケ)」を10月22日に発売。これまで定番化できなかったとされるケーキ商品で、新たなスタイルを提供する。
カプケは、本格的なケーキがカップに入った商品。「とろけるクリームの苺ショート」(315円、税込、以下同)や「ごろっと栗のモンブラン」(295円)など4商品を一気に展開する。これまでティラミスなどカップに入ったケーキ商品はあったが、ショートケーキなどをカップ入りにして販売するのは初めてだという。
ケーキといえば、スイーツの中でも看板的立ち位置の商品。その一方で、これまでローソンではなかなか売り上げを伸ばせずにいた。「新商品を出した際にある程度は売れていた。しかし、少し時間が経つと売れ行きがすぐ収束してしまっていた」と担当者。その要因として、持ち運ぶことで型崩れしたり、食べるときにフィルムを剥がしたりする煩雑さを挙げた。
この難点を、カップに入れて固定することで解決した。これにより、持ち運びやすくなるとともに、食べやすさも向上。従来、コンビニスイーツは「ワンハンド」と呼ばれるシュークリームやエクレアなど片手で食べられるような商品が人気を博していたという。王道のケーキをこのワンハンド風にアレンジした形だ。特別感のあるケーキを購入するハードルを下げる狙いもある。「本格的なケーキだが、かしこまって食べるのではなくソファなどでだらりと食べられる」と担当者は話す。
販売に先駆けてテスト販売も実施した。もともとのターゲットとしていた女性だけでなく男性の購入も多かったという。「男性にもスイーツ需要はあったが、ケーキ専門店などに入りづらい傾向にあったのでは」と分析する。朝に購入している人や、複数個購入している人もいたという。担当者によると、スイーツは朝食として購入されるニーズもあるのだとか。
テスト販売では、モンブランがシニア、ショコラケーキは男性、ショートケーキは女性、といったそれぞれの“住み分け”も見えてきたという。今後はこうした顧客分析などを通し、季節ごとにアレンジしたものも順次展開していく予定だ。3月に発売し大人気の「バスチー」と合わせて、新たな定番商品となるだろうか。
関連記事
- ローソンから真っ黒なLチキが登場 徐々に広がる「ブラックフード」 新たなブームに?
ローソンから真っ黒なLチキが登場。黒い色が特徴の「ブラックフード」が徐々に登場し始めている。過去にはバーガーキングが黒いハンバーガーを期間限定で発売したり、最近では「ブラックデー」という韓国発の記念日イベントも開催されたりしている。今後、新しいブームとなっていくのだろうか。 - ローソンのスイーツ部門が復活 “冬の時代”をどう脱却したのか
ローソンのスイーツ部門の業績が復活している。特定の層を狙った商品開発が成功した。大ヒット商品「バスチー」も貢献している。 - 居酒屋とカフェには脅威 増税を追い風にローソンが仕掛ける商品戦略
ローソンが惣菜商品の新作を発表。おつまみと朝食に注力。前回増税時は3%ほど売り上げが減少したというが、増税を追い風にできるか。 - 勝ち残ったのはどちら? ローソンのテスト販売、その舞台裏に迫る
コンビニのテスト販売はどのように行われているのか? ローソンは2種類の新型サンドイッチの売り上げを比較する実験を行った。どちらが勝ち残ったのか。 - みかんを丸ごと1個のせた大福をナチュラルローソンが発売 素材の良さをアピール
みかん1個を丸ごとのせた大福をナチュラルローソンが発売する。商品をじっくり選ぶ女性客がメインなので商機を見いだした。生産者のこだわりも伝える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.